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クリスマス と サンタクロース と キリスト教 についての 「なるほど ! 」 という話 [歴史]

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  今日は12月25日ということで、クリスマスやサンタクロースにまつわ
るお話をしようと思います。

  まず 「クリスマス」 という言葉ですが、これはもちろん 「Christ - mas」、
つまり、イエスの生誕を表しています。

  イエスが誕生したのは紀元前4年のことですが、12月25日が誕生
日というワケではありません。 この日にイエスの生誕・降臨を祝おう、
ということです。


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  ちなみに イエス=キリスト というのは、ナザレのイエスという人が磔
刑によって1度死んで、そのあと復活してキリストになったということを
表しています。

  キリストというのは直訳すると 「油を塗られた者」 という意味で、当時、
王や司祭など宗教的に祝福された者にオリーブオイルを塗るという慣習
があり、このコトバがイエスにあてはめられて 「救世主」 というような意味
をもつようになります。

  ただ、ここではキリストの意味よりも、生前の(人間であったときの)イ
エスはイエスであってキリストではないということをおさえましょう。

  また、カリスマというのももともとはイエスのことを指しています。


     imagesCAR6C8L2.jpg


  聖書には、よく 「足に油を塗って、旅の疲れをねぎらう」 などの表現
がでてくるようなのですが、この地域は極端な乾燥地帯なので、皮膚に
油を塗るというのがニベア的な役割を果たしていたのだと思います。


  ナザレというのはイエスが生まれ育った土地の名前なのですが、昔の
人は 「地名 + 名前」 で呼ばれるのが慣わしだったようです。 レオナルド
=ダ=ヴィンチ(ヴィンチ村のレオナルド)なども同じです。

  イエスのお父さんはヨセフという大工、そしてお母さんはマリアという
娼婦でした。

  なので、イエスはおそらくヨセフの子ではないと思われ、そのへんを覆
い隠すために精霊によって 「処女懐胎」 に至ったということにされたのだ
と思われます。

 
  次に、サンタクロースについてですが、その前にキリスト教における
「聖者」 についてお話しなければなりません。

  西暦30年ころ、イエスの死と復活によってキリスト信仰が芽生え始め
ましたが、ローマ帝国ははじめ、カルト信仰だとしてキリスト教を禁止し、
厳しく弾圧します。 

(※) 当時、ユダヤ地方(イスラエル)はローマ帝国領域内にありました。

  その弾圧の中で、12使途の1人、ペテロが見せしめとしてライオンに
食い殺されたりしたのですが、その殉教を記念して建立されたのがサン・
ピエトロ大聖堂です。

  しかし、のちにローマ帝国は方針を変え、西暦325年、コンスタンティヌ
ス帝によってキリスト教は帝国の国教となり、ローマを拠点としてイタリア
の地に根を下ろすことになりました。

 その後 395 年、ローマ帝国が東西に分裂。 そして、この頃から侵入
しはじめたゲルマン民族の旋風によって帝国は蹂躙され、ついに476年、
西ローマ帝国は滅亡してしまいました。

  もともとローマ帝国の方々は、戦争と商売には長けているのですが、
文化的な事柄についてはあまり得意ではなく、なので、哲学においても
美術においても特筆するようなものはありません。

  自らのアイデンティティーを象徴する民族神話についても、ギリシア神
話をそのまま流用してローマ神話とにしてしまいました。

  ですからギリシア神話とローマ神話は内容的に同じで登場人物も一
緒です。 人物についてはギリシア読みがローマ読みに変わっています。

  たとえば、ゼウス⇒ジュピター(ギリシア読み⇒ローマ読み)、アフロデ
ィテ⇒ヴィーナス、ポセイドン⇒ネプチューン、エロス⇒キューピット とい
うように。

  ローマ帝国を蹂躙したゲルマン民族はローマ人に輪をかけて粗暴な
人たちであったため、帝国はすっかり荒廃してしまい、マッドマックスや
北斗の拳の舞台のようになってしまいました。

  ここからあと、ルネサンスに至るまでの1000年間がヨーロッパの 「暗
黒の中世」 といわれる時代です。

  この1000年間、ヨーロッパは中国、インド、ペルシアなどと比べ世界
でもっとも野蛮な地域であったわけです。

  ルネサンスまでの1000年間、人々の最低限の道徳を維持し、ヨーロ
ッパという地域的なまとまりや特徴を作り上げてきたのがキリスト教です。

 この意味で、ヨーロッパとキリスト教は表裏一帯、切り離すことができな
い関係だといえます。

  ただ、キリスト教のせいでヨーロッパの人々がいつまで経っても迷信
的で因習的な段階にとどまり続けてしまったのも事実です。

  それが12世紀ごろになると、多少の変化が現れます。

  きっかけは、1096年に始まった 「十字軍」。 この十字軍は、キリスト教
勢力とイスラム教勢力との間で行われた聖地エルサレムの奪い合いで、
奪ったり奪われたりが数世紀にわたってつづきました。

  このときに後進地域ヨーロッパが先進地域イスラムに接触したことで、
ヨーロッパに、窓ガラスをはじめ進んだ文化が入ってきました。

  そしてこの接触によって、ギリシア衰退後イスラム地域に保存されて
いたギリシアの哲学や学問もヨーロッパに逆輸入されます。 アリストテ
レスの思想体系に基づくものが主だったようです。

  この刺激を受けて、このあとヨーロッパ各地には大学が設立されてい
きますが、これら一連の動きのコトを 「12世紀ルネサンス」 といいます。

  そして約400年後、この変化が全面的に開花したのが 「ルネサンス」 だ
ということです。

  十字軍当時のヨーロッパ人の民族性を表す次のような話があります。

  イスラム側が勝ってエルサレムを奪った際には、イスラムはヨーロッパ側
の捕虜たちをきちんと扱ってその後ヨーロッパに返還したそうなのですが、
逆にヨーロッパ側が勝ったときには捕虜も含めてイスラム人は皆殺し、エル
サレムは1 週間にわたってヒザまで浸かるほどの血の海になったそうです。


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  さて、キリスト教の 「聖者」 の話です。

  キリスト教には聖典として聖書があり、そしてその外伝として大量の
「聖者列伝」 があります。 その一部は 『黄金伝説』 といわれ、古くから
多くの人に読まれてきました。

  聖者というのは、宗教的に正しいこと、良いことを行ったことで 「聖者」
と認められた人々のことで、そのエピソードが外伝として語り継がれてき
たわけです。

  聖者は 「St. ~(セント~)」 と呼ばれますが、外国にはサンフランシスコ、
セントヘレナ島など、「セント~(サン~)」 という地名がいかに多いことか。


 じつは、数多くの聖者が誕生してきた背景には、以下のような現実的
な理由があります。

  その昔、布教や武力によってキリスト教がその範囲を拡大させていく
際に、新しく支配したその地域には必ず、もともと信仰していたその地域
の神がいます。

  その地域でのもともとの神への信仰をやめてもらい、かわりにキリスト
教の神を信仰してもらうことになるわけですが、その際に一種の妥協とし
て、その地域のもともとの神を、キリスト教の体系の中で有力な地位につ
かせる、ココでいうと聖者として認めることでその地域の人々に納得して
もらうということです。

  これはキリスト教に限ったことではなく、他の宗教についても同じです。

  たとえば仏教にも、観音様、地蔵様、明王様、菩薩様などいろいろい
ますが、これらの信仰も同じ背景をもっている面があります。

  さらに、これは宗教だけではなく神話についても同じことが言えます。

  ギリシア神話には多くの英雄と呼ばれる人たちが登場しますが、ギリ
シア神話の中での英雄とは、神と人間のハーフのことです。 ヘラクレス、
ペルセウス、テセウス、アキレウス、カッサンドラ など。


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  ちなみに、ギリシア神話の中でいちばん偉い地位にある神のゼウス
はこの上ない 「美女好き」 で、人間の中に美しい女性を見つけると、自
ら美しい白鳥に変身してその美女を油断させるという卑怯なやり方で
女性に抱きつき、スグにその女性をはらませてしまいます。

  その結果として誕生したのが英雄の面々です。

  現在いちばん有名なのはおそらくヘラクレスだと思うのですが、この
ヘラクレスも、もともとはある地域の信仰神でした。

  やがて、ギリシア神話文化圏がこの地方を支配することになり、もと
もとの信仰神であったヘラクレスはギリシア神話の中で英雄という地位
につけられたということです。

  しかし、その当時はこの地域は有力な地域ではなかったために、ヘ
ラクレスは英雄の中でもマイナーな方で、その名もほとんど知られてお
らず、神話の中で重要な役割も与えられませんでした。

 ところが、その後その地域が経済や武力によって有力な地域になる
と、神話の中でのヘラクレスの地位も上がっていくことになり、ひいて
はもっとも有名な英雄にまで成り上がって現在のようになりました。

  このように、新しく支配した地域が有力であればあるほど、その地域
のもともとの神は、信仰体系の中で高い地位に任命され、重要な役割
が与えられるコトになります。


  それでは次に、サンタクロースについてです。

  サンタクロースは、もともと東ローマ帝国小アジア地方の司教 「ニ
コラウス」 がその起源で、この人が善行によって聖者として認められ、
「聖ニコラウス」 となりました。

  そして、聖ニコラウスの聖伝として伝わるのが以下のエピソード。

  「ある日ニコラウスは、貧しさのあまり、三人の娘を嫁がせることの
出来ない家の存在を知ります。 ニコラウスは真夜中にその家を訪れ、
屋根の上にある煙突から金貨を投げ入れました。

  このとき暖炉には靴下が下げられていたため、金貨は靴下の中に
入っていたといいます。 この金貨のおかげで娘は身売りをせずに済
みました。」

  この逸話が由来となって、「夜中に煙突から家に入り、靴下の中
にプレゼントを入れる」 という今日におけるサンタクロースの伝承が
生まれたと言われています。

  その地方では、この聖ニコラウスの命日12月6日を 「シンタクラー
ス祭」 として祝う習慣があり、そこからサンタクロースと呼ばれるよう
になっていたようです。


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  ちなみに、サンタクロースの赤と白の衣装はコカ・コーラ社が自社
のポスターの中でサンタクロースの衣装をコカ・コーラと同じ配色に
したのがその起源だという俗説がありますが、それは事実ではなく、

  このポスターよりも前からサンタクロースの紅白の衣装の挿絵な
どが多く出回っていたようです。


  それでは最後に、西洋人の名前について。

  日本では、子供が生まれると親が自由に名前をつけることがで
き、最近では自由奔放な名前がつけられることも多いようですが、
このような日本の命名についての感覚を知ると西欧の人は非常に
驚くといいます。

  たとえばフランスでは革命後の1793年、命名法を全く自由化し
たところ、「貴族絶滅」 「自由の根本」 「カフェ・ビヤー」 など、とっぴ
な名前が続出したために、その後制限が加えられました。

  その際、主に聖者の名前からなる命名リストがつくられ、そのリ
ストと暦にある聖者の中から名前を選ぶように命じられたそうです。

  そのほかの地域・時代においても、欧米では子供の名前は宗教
が由来であるか、土地や職業の名前に由来するものがほとんどな
ようです。

  キリスト教ではもともと、神に創られたばかりのアダムが世の中
のすべてのモノに名前を与え、名づけることで自らの支配下におい
たとされていますので、そのへんの感覚が影響しているのかもしれ
ません。 (※)

 

 《 聖者の名前と、各言語での変化 》

  (名前 : ラテン語. 英語. ドイツ語. フランス語. イタリア語. スペイン語)

  ルカ :  ルカス. ルーク. ルーカス. リュック. ルーカ. ルカス
  マルコ : マルクス. マーク. マルクス. マルク. マルコ. マルコス
  ヨハネ : ヨハネス. ジョン. ハンス. ジャン. ジョヴァンニ. フアン
  ミカエル : ミカエル. マイケル. ミヒャエル. ミシェル. ミケーレ. ミゲル
  ゲオルギウス : ゲオルギウス. ジョージ. ゲオルク. ジョルジュ. ジョルジオ. ホルヘ
  パウロ : パウルス. ポール. パウル. ポル. パオロ. パブロ
  ペテロ : ペトルス. ピーター. ペーター. ピエール. ピエトロ. ペドロ
  ヨセフ : ヨセフ. ジョーゼフ. ヨーゼフ. ジョセフ. ジウゼッペ. ホセ
  ヤコブ : ヤコブス. ジェイムズ. ジャック. ヤーコプ. ジャック. ジャコモ. ディエゴ
  ステパノ : ステファヌス. スティーブン. ステファン. エティエンヌ. ステファノ. エステパン
  アントニウス : アントニウス. アンソニー. アントン. アントワーヌ. アントニオ. アントニオ
  ジェローム : ヒエロニムス. ジェローム. ヒエロニュムス. ジェローム. ジェロニモ. ヘロニモ



(※) 理解するとは分類すること
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20-5




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