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おら、革ジャンが好きだ ! ②.フライトジャッケト G-1 / B-3 について [ファッション]

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【 G-1 】

  G-1 は 陸軍航空隊でA-2 が開発されたと同時期、海軍航空隊によっ
て開発されました。

  陸軍と海軍の航空隊は常にライバルとして競い合っており、そのためフ
ライトジャケットもお互いに独自にのものを開発しました。


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  G-1 はA-2 と同様1930年代から採用され、一時革不足による中断
を挟みますが、以来およそ80年にわたって使用されている伝統あるジャケ
ットで、現在でも支給されています。

  いちばんの特徴は、首周りの遮風と保温のため襟に羊のムートンが張ら
れ、スタンドカラーになっているということ。 素材はヤギ皮で、ウエストと袖
口の部分がニットになっています。

  定期的にスペックは変更され、現行の G-1 は裏地が綿サテン から ナ
イロンに、ヤギ皮からヤギ皮風型押しに変更、ボアも 天然ムートン から ア
クリルムートンに変えられています。


  f89u.jpg


海軍航空隊ではスコードロンパッチ(所属部隊のパッチ)で飾り立てられ、
自分自身の所属部隊の歴史がジャケットを見ることによってわかるように
なってます。

海軍では他にもナイロン製のフライトジャケットが採用され WEP もしくは
G-8 と呼ばれています。 なお、現在のジェット戦闘機にはG-1 で乗るこ
とは許されていないので基地内のみでの着用となっています。


  DSC014351.jpg


  1986 年には、映画 「トップガン」 の中で主演のトム・クルーズがカッコよ
く着こなしていたのを契機に、G-1 や B-3 を始めとするフライトジャケット
がちまたで大流行しました。


     tom-cruise.jpg


  G-1 はアメリカでも人気が高く、海軍が長期に渡ってパイロットに支給
してきたので、市場にも相当の数が出回っています。

人気のあるのはやはり襟に天然ムートンを使用した年代のものであり、
これらは高値で取引される傾向にあります。 また、ブラックラベルの G-1
も数が少なく、年々値段は上がる傾向にあります。


  
   few8.jpg



【 B-3 】

 1930 年代から陸軍航空隊で冬期・寒冷地用として採用されているジャ
ケット。 いわゆるヘビーゾーン(-10℃~-30℃)にあたる地域での任務
に対応していました。

 また、主に高い高度を飛行する戦略爆撃機のパイロットに支給されたジ
ャケットです。

  しかし、その後40 年代になると爆撃機のコクピットに与圧・温度調節機能
が備わることにより B-3 は姿を消し、戦後はNシリーズに受け継がれるこ
とになります。

 このジャッケットは保温性と耐寒性を第一に開発されたため、羊革(シー
プスキン)の内側全体にボアが張りつけてあります。 大きなエリは、立てた
場合に2本のベルトで締めることができ、それによって保温と遮風の効果が
高められています。


80 年代半ばにフライトジャッケットが大流行した際、高価にもかかわらず
いちばん人気があったのが Avirex 製のB-3 (当時12万8千円)でした。


   avirex3.jpg


なお、「Type B-3」 と 「B-3 Type」 があり、前者は外側にポケットが1
つ付いた実物と同じタイプ。 後者は、左右両側にハンドウォーマーがあるタ
イプ。 現在では前者が主流になっていますが、80 年代に流行したのは後
者の方でした。


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  また、外形的にはB-3 とほぼ同じで、ボアの毛足がやや短いB-6 とい
うタイプもあり、極寒地域の少ない日本ではコチラも人気があるようです。


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  ちなみに、B-3 の 「B」 はBomber の B であり、B で始まるモデルは「ボ
マージャケット」 とも呼ばれ、爆撃機のパイロットに支給されたものです。

  1950 年代になるとナイロン素材の技術が進み、革製のジャケットはナイ
ロン製のジャケットに取って代わられるようになっていきます。

  しかし、それ以降も飛行士たちの間では革製ジャケットの人気が高く、各
自個人的に入手して革製ジャケットを着用する者が多かったようです。


 下はB-3 の前身、B-2 です。


    br80074-01.jpg
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【 フライトジャッケット ~ 80年代と現在 ~ 】

 1986 年、映画 「トップガン」 の大ヒットをきっかけとして日本中でフライ
トジャッケットが大流行しました。

  現在でも高い人気を誇っているフライトジャケットですが、当時と今とで
は、いくつかの点で異なっています。

  いちばん大きな違いは、当時はいまだバズリクソンズとリアルマッコイ
ズが存在していなかったというコト。 もちろん THE FEW も TOY'S McC
OY も存在していませんでした。


  img_428695_6341720_1.jpg


  よって、当時の最高級ブランドはアビレックス。 今となっては1,5流とい
うイメージのあるアビレックスですが、当時はアビレックスこそが 「いい仕事」
をするブランドだとみなされていたのです。

  当時いちばん人気があった型はA-2 ではなく、G-1 と B-3、そして
ナイロン製の MA-1 でした。

そして B-3 は別としても、当時のG-1 をはじめとするジャッケットは
現在のような身体にフィットした細めのタイプではなく、ゆったりとしたデザ
インのものばかりでした。

  また、当時は、バンソンやエアロレザーなどのライダース系 (エアロレザ
ーは正確に言うとスポーツジャッケット系) の革ジャンもいまだ世に出回っ
ていません。

  ライダース系の革ジャンが街に出回るようになるのは、フライトジャッケ
ットの流行が一段落したあと、80年代末以降のコトです。

  さらに、当時は楽天もヤフオクも存在していなかったため、革ジャンの中
古市場というものが存在していなかったという違いもあります。 


 ・・・・・・ そして、その後90 年代半ばになると、日本発の究極ブランド、
バズリクソンズ と ザ・リアルマッコイズが誕生します。 


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  この2つの日本製ブランド(そこから派生した THE FEW も TOY'S Mc
COY も含めて) の登場によって、フライトジャッケットの世界観は根本的に
変わったといえるでしょう。

  やはりモノづくりにおいて、しかも 縫製などの細かい作業においては、
日本人が本気になって作った場合、アメリカ製などとは雲泥の差があると
いうことが改めて明らかとなりました。

  これら日本ブランドの品質はほんとうにすばらしく、実物のレベルをとっ
くに超えていると言われています。 (ただ、こまかいコトをいうと、マッコイ
ズは初期の頃と比べると縫製のレベルが落ちたと指摘されたりしていま
すが、総論にあたるココではとりあげないことにします)


  20130823151242.jpg


  これら日本ブランドの製品によって、フライトジャケットの魅力や美しさ、
そして奥深さが再認識させられ、さらに言うと、革製のジャッケットが美術
品の域にまで高められたとも言えるような印象が与えられたと思います。

  しかし、それと同時に、これらのブランドの登場によって革製フライトジ
ャッケットというジャンルそのものがあまり一般的ではなくなってしまった
というか、少し遠い存在になってしまったという面があるのも事実。

  コレはもちろん価格の上昇に端を発する変化です。

  たとえば、80 年代当時のフライトジャケットの代名詞、アビレックス A-
2 の値段は5万円台後半、G-1 は6万円台後半でした。

  それに比べて、現在におけるフライトジャッケットの代名詞であるバズリ
クソンズの値段はその2倍以上、リアルマッコイズに至っては、およそ3倍
もしくはそれ以上というとても高価なモノになってしまいました。

  このような値段になってしまうと、もはや大人でなければ買うことができ
ません。 マッコイズやTHE FEW に至っては、イメージ的にも、若者にはお
よそ似合わない骨董品のような感じさえなくもありません。


  TheFewLogo.jpg


  本来フライトジャケットはとてもカッコよくて、もっと広い年代、もっと多く
の人々に着られてもおかしくないと思うのですが、その値段ゆえに一部の
マニアックな大人たちだけの楽しみになってしまっているのは残念なこと
だと思います。

現在空軍で支給されている実物の A-2 や G-1 は当然に最高の品質
を誇っているハズで、それがそれぞれ48000 円、58000 円で売られている
ことを考えれば、20 万円のA-2 というのはやはり過剰な品質だという言い
方もできます (ただし、現行の A-2 は大戦時に支給されていた A-2 に
比べると、品質で大幅に劣っているとも言われています)。

  しかし、これら上級ブランドの A-2 はホントにカッコよくて、僕もスッゴ
クほしいです。 僕はかろうじてバズリクソンズのA-2 を所有させていただ
いておりますが、できればマッコイズかFEWのA-2 が欲しいです。

  思えば、80 年代の頃は、4,5万の革ジャンを着て街を歩けば、優越感
というか、割とイイ気分に浸ることができました。

  しかし今現在では、例えばMORGAN やCOCKPIT などの4,5万程度
のA-2 を着て街を歩いても、イイ気分どころか、逆に劣等感というか、何
か後ろめたさを感じてしまいます。

 ・・・・・・ いちおう 4,5万は払っているのに    ・・・・・・ これはちょっと
哀しい現実ではあります。


  ですから、こういうふうにすればイイのではないでしょうか。

  バズやマッコイは確かにカッコイイですが、だからといって COCKPIT や
MORGAN をダサいと言って否定するのはやめましょう。

  現行実物の値段を考えれば、このランクであっても品質的には充分に高
級なのです。 むしろ A-2 に20万も出す方が特殊な 「もの好き」 なのです。

だからと言って、もちろんマッコイズオーナーのほうを否定するのでもあり
ません。 僕も1着は欲しいです。


  というコトで、各自それぞれの予算に合わせてフライトジャッケットを楽しみ
ましょう !


 ② のつづき.フライトジャッケット のつづき
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-11-26




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