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おら、革ジャンが好きだ ! ①.フライトジャッケト A-2 について [ファッション]

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  2013 年秋、今年もいよいよ革ジャンの季節がやってきました。
このページでは、革ジャンについての有益な情報をランダムにお届け
していきたいと思っています。

  革ジャンについて理解しやすくするため、以下のように大きく3つに
に分類してみます。

 Ⅰ. フライトジャケット
 Ⅱ. ライダースジャケット
 Ⅲ. その他、スポーツジャケットやブランド系デザインジャケット


《 フライトジャケット 》

  1980 年、アメリカのライト兄弟によって開発された飛行機は、早くも
第1次世界大戦に投入されましたが、当時はもっぱら偵察用として用い
られました。

  その後、戦間期になると、飛行機は攻撃用の兵器として本格的に軍
に導入されることになりますが、戦闘機のコクピット内は飛行士たちに
とって過酷な環境であることが判明します。

  飛行士たちは、寒くて狭い機内であっても確実な動作を要求されるた
め、それにふさわしい優れた防寒性と運動性の両方を兼ね備えた衣服
が求められました。

  そして、その要求に応えうる素材として選ばれたのが皮革製のジャケ
ットであったということです。

  当初は、飛行士たちが各自自前で用意しましたが、30年代になると
パイロットのユニフォームとして軍から支給されるようになり、それ以降
大量に製造されていくことになりました。


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  それらは、軍に依頼され契約を交わした民間メーカーが、詳細な規
定 (Mill Spec) に基づいてその時代最高の技術を投入し、いわば国
家の威信かけて研究・開発・製造したパイロット専用ジャッケットです。

  求められたのは物理的な品質の高さだけではなく、そのデザインに
ついても、士気の高揚や軍隊のイメージ向上のため、国民があこがれ
を抱けるような優れた見た目でなくてはなりません。

  そしてもちろん、これらの点を満たした上で、できるだけ安価であるこ
とが求められます。


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  このようにして生み出された軍服の1つであるフライトジャケットですが、
戦後になると、多くの民間メーカーが軍で使用されているのと同じモノや、
一般に向けて簡略化したタイプを製作し販売するようになっていきます。

  ここであらためて考えてみると、世に出回っている衣服のうち、軍服に
由来するものがとても多いというコトが分かります。

  それは例えば、つめ襟の学生服、セーラー服、ピーコート、トレンチコ
ート、チノパン、カーゴパンツ などなど、非常に多岐にわたっています。

  それはやはり、そのデザインが万人に受け入れられるような優れた要
素をもっているからではないでしょうか。


  1980 代半ばには、トム・クルーズ主演の映画 「トップガン」 の大ヒット
を契機に、日本中でフライトジャケットの一大ブームが起こりました。

  欧米数ヶ国のフライトジャッケットがさまざまなメーカーで製造され売り
出されていますが、中でもアメリカ航空隊のモノが圧倒的に有名です。

  ちなみに、アメリカ軍に空軍が結成されたのは第2次大戦以降のコトで、
それ以前は陸軍・海軍の各航空部隊として存在していました。


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  以下、フライトジャケットの主なタイプを紹介します。


【 A-2 】

  1931 年から第2次大戦中の1944 年に革不足により製造が中止さ
れるまで、アメリカ陸軍飛行兵に対して支給されていた低高度用フライト
ジャケットです。

  馬革製が基本で、戦時中にその供給が間に合わなくなって以降は牛
革やヤギ革が用いられ、約 20 万着製造されました。

  「フライトジャケットといえばA-2 」 と言われるほどに代表的なタイプ
で、誕生して以来ずっと変わらない、シンプルで完成されたスタイルは
パイロットたちの間でも絶大な人気を誇っているようです。 

略式として 「ボマージャケット」 とも呼ばれましたが、そのオリジナル
の呼称は 「夏期パイロットジャケット」 であり、戦時中は広く操縦士にも
爆撃機勤務の搭乗員にも着用されたものです。

  A-2 型飛行用ジャケットは、アメリカ陸軍航空隊で1927年に採用さ
れた A-1 型ジャケットの後継タイプとして採用された。


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A-1 ではリブ製の立った襟はボタンとループで止められていたが、A
-2 では、シャツカラー型の革製の襟と、隠れた留め金および喉の位置
に設けられた鉤ホック方式の掛け金に変更されました。

  肩部分にはエポレットもデザインに追加され、サイズは32 から 54 ま
で、2 インチピッチで製造されます。


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  実際の仕様は製作した会社や時期によってわずかずつ異なっていま
す。 さらに、同じ製作会社においても契約ごとにすべての A-2 ジャケ
ットにはそれぞれいくつかの際立った特徴があります。

 共通の特徴として、シャツスタイルのスナップダウン形式の襟、肩章、
編んだ袖口と腰帯、衣服にかかる張力を制限するために一枚革で作ら
れた後ろ身頃などがあります。

  両脇のドットボタン式のフラップがついたポケットにはハンドウォーマ
ーが付けられていません。 それは、ポケットに手を突っ込むことは軍人
の仕種として不適当であるというのが理由でした。

  戦前から戦時中に作られた、大部分の A-2 はベジタブルタンニング
またはベジタブルとクロムの混合なめしによる馬革で製造されたが、馬
革が不足してくるとヤギ革や牛革で製造されました。

スピワック社とドニガー社製の全てのジャケットはヤギ革で作られま
した。 また、これは多くのケーブル社製品、デュボウ社、ブロンコ社、ペリ
ー社とラフウェアー社製品にも例が挙げられます。

  戦時に供給された A-2 ジャケットは、広範囲で多彩な色展開で作
製されましたが、大別すると2色に分けられます。 アザラシの色・シール
(ほとんど黒に近い暗褐色) およびラセット (赤褐色からミディアムブラ
ウン) の2色です。


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  裏地については、製造当初は絹製であったものの、入手困難なため
途中から綿に変更されたようです。

  当時 A-2 はシャツや航空服の上に着用されるのが普通で、航空兵
は冬季の作戦や高高度での任務では、ムートン製のレザージャッケット
か電熱航空服に着替えたといいます。

  A-2 ジャケットは、基礎的な飛行訓練を終了し、もっと進んだ過程へ
進む際に陸軍航空隊員に対して支給されていました。

  航空兵は様々なサイズのジャケットを収めた箱の前へ一列に並び、補
給係将校より適したサイズのジャケットをそれぞれ交付されたそうです。

  A-2 は航空兵にとって宝物で、誇りをもって着用されました。 様々な
基地に転進した際には、戦隊パッチや階級章を加えたり、また、時には自
らが操縦した航空機の型式や、そのノーズアートを入念に作りあげたりし
ました。

  しかし1934 年、航空兵のジャッケットは革製から布製へと変更されて
しまいます。

  それに対して航空兵たちは非常に落胆し、結局はその後も革製ジャッ
ケットをさまざまな経路から各自自前で用意して着用しつづけたようです。


 ・・・・・・ それから 45 年後の1988 年、アメリカ空軍は A-2 を再び供
給し始めました。

この決定は、長年にわたって空軍関係者達がA-2 ジャケットの再供
給を求める訴えをつづけてきた結果、ようやく勝ち取ったものでした。

  現在のデザインは、いくつかの点で元来の A-2 とは異なっています。
より大きめの着心地があり、素材はヤギ革のみ、色もミディアム・シール
ブラウンの1色のみが生産されています。

とはいえ、実際は先輩や OB たちのお下がりが大量にあり、兵たちは
それらの中から自分の身体にぴったり合ったジャケットを好んで着用して
いるようです。


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  また、以前とは異なり、現代の空軍パイロットたちは自らの A-2 ジャケ
ットを塗り直したり、どのような方法であっても外観を変更することは許可
されていません。

  この方針については、塗料が可燃性で火災の危険を引き起こしかねな
いためであるとされています。 現在 A-2 に使用されているヤギ革は、特
殊な難燃性の薬品でなめされているそうです。

現在、搭乗員のネームタグは左胸の上に配置されており、また主任務、
空軍司令部、戦闘部隊などのコマンドシールドはマジックテープで右側に
貼り付けるようになっています。

ちなみに 96 年、クーパー・スポーツウェアー社は、フィラデルフィア州
に所在する防衛兵站センターと、A-2 をジャケットをより機能的で着心
地を改善するよう再設計する契約を結んでいます。

  メーカーにより複製された A-2 や実物のビンテージジャケットは日本
において最も人気があり、コレクターたちの市場が存在しています。


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そこで出回るモノの価格は、外国製の高級な複製品の2倍にほどに設
定されており、そのつりあげられた価格が日本のコレクターにとってはプ
レステージ性を増幅させる結果となっています。


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《 戦後に登場した一般向けA-2 》

  長期間にわたってスタイルを変えることなく軍で使用され、洗練された
スタイルをもつ A-2 は、戦後さまざまなメーカーにより一般向けのジャ
ッケットとして製造されるようになりました。

  しかし戦後長いあいだ、それらのメーカー品は、戦時の実物と比べる
とデザインや縫製などの正確さにおいて大きく劣るものがほとんどでした。

  やがて 70 年代中頃になると、いくつかの小さなメーカーにおいて、オ
リジナルにも劣らないような可能な限り原型に近い複製品が製作される
ようになりました。

それらのメーカーは、オリジナルの分解・解剖を通じて独自に知識を吸
収し、それを元に正しい革と綿糸、そして大戦時の在庫である古いタロン
ジッパーを使用することで、実物と並ぶ水準のジャケットを再現しました。


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  そしてそれらのメーカーは、品質のため、実物に近づけるためであれ
ば手間を惜しまず、遠方にまで赴き、さらにコストをかけました。

その結果お、これらのジャケットは通常 800 ドル以上という、とても高価
な商品となったようです。。

 現在、こうした最高品質の製品を作っているブランドは以下のとおり。 

Cockpit USA   (ニューヨーク、米)
US Wings  (ハドソン、オハイオ、米)
Lost Worlds Inc.   (ニューヨーク、米)
THE FEW  (ニュージーランド)
Schott  (ライダースジャケットでも有名、米)
Avirex  (日本・上野商会)
Eastman Leather Clothing  (デボン、英)
Aero Leather Clothing  (スコットランド)
Buzz Rickson's  (東京、日本)
The Real McCoy's   (日本およびニュージーランド)
Good Wear Leather Coat Company  (シアトル、ワシントン、米)
Gibson & Barnes  (エル・カホン、加)
Toys McCoy   (日本)
HOUSTON  (ユニオントレーディング、日本)
Alpha Industries (軍納入メーカーでもある、米)


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 ②.フライトジャッケト G-1 / B-3 について
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-1




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