おら、革ジャンが好きだ ! ⑥.「革」 について理解しよう ! (下) [ファッション]
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【 Ⅳ.起 毛 系 】
起毛系は、革のぬくもりを感じさせる仕上げ方法になります。 表側を起毛
したものと、裏側を起毛したものの2タイプがあります。 滑らかな革の表面
をサンドペーパーで磨くことで、皮革にしか出せない温かみのある手触り
を生み出すことができます。
《 スエード 》 : 革の「ウラ面」をサンドペーパーややすり等でビロード状
に起毛させ、独特の光沢を引き出した革。 毛足が短く柔らかいものほど
上質であるとされています。
スエードという名称は、「スウェーデンで考案された技法」 ということに
由来します。
主にクロムなめしを施した牛革、ヤギ革、羊革が用いられます。 また、
銀面ではなく 「床革」(⇒ コードバン) を使用する場合もあるようです。
スエードレザーのメンテナンスに関しては、クレープブラシ、ゴムブラ
シ、スエード専用消しゴム、防水スプレー等を使用します。 保管する際
には、通常の革と同じく通気性の良いところで保管します。
《 ヌバック 》 : 革の 「表面」 をサンドペーパーやすり等で起毛させたもの。
デザイン目的でドレスシューズに用いるほか、傷を目立たせないというコト
で登山靴にも用いられるが、後者の場合は、防水性の高いオイルド・ヌバ
ックが使用されます。
ヌバックという名称は、「Neo - back」 が語源だといわれています。
メンテナンスと保管についてはスエードと同じ。
ヌバック(黒) と スエード(茶)
《 バックスキン 》 : 「雄鹿の革の表面(buck)」 をサンドペーパーやすり
等で起毛させたもの。
《 ベロア 》 : 主に 「仔牛や小動物の革の裏面」 をサンドペーパーやすり
等で起毛させたもので、スエードよりも表面が粗く毛足が長い仕上がりに
なります。
また、毛足の長い仕上がりをベロアレザー、毛足の短い仕上がりをス
エードレザーと分類する場合もあります。
最近では、「ナップド・レザー」 とも呼ばれ、レザーシャツ、ハンドバッグ、
デザート・ブーツやワラビー等に使われている人気革素材です。
メンテナンスと保管については、スエードと同じ。
ベロア と ヌバック
【 Ⅴ.エンボス系 】
革がもともと持つ凹凸をあえて強調することで、独特の風合いを引き出す
加工。 この加工法により、革製品の用途の幅が飛躍的に大きくなります。
《 型押し 》 : 牛革などの表面に彫刻版をプレスして型をつけたもの。篭
目模様、文字、ほかの動物の革の模造など、さまざまな模様つけること
ができます。 本物と型押しの見分け方については ⇒ 【 ワニ革 】
《 もみ革 》 : なめしたあと、手でもむことによりシボ(シワ)をつけられた
革で、クツやバッグ、ベルトなどで見られる加工法です。 揉みこまれるれ
ているので、柔らかくなっています。
《 シュリンクレザー 》 : シュリンクレザーとは、革のなめし加工中に専用
の薬品を用いて銀面を縮ませることによりシワをよせた革。 「もみ革」 よ
りも、シボの風合いが強くなります。
《 メッシュ 》 : 豚やヤギなどのやわらかい革をヒモ状にして、機械にかけ
て織る加工方法です。 通気性に優れ、涼しげに見えるため、夏用の製品
に多く使われます。
【 Ⅵ.カバーリング系 】
カバーリングは革の風合いを楽しむことよりも、キズが付いたり濡れたり
することによる変質・変形防止を重視した仕上げ方法と言えるでしょう。 革
の表情に変化をつけることもできます。 顔料仕上げもこれに含まれます。
《 はっ水、防水加工 》 : フッ素やシリコン、防水用加脂剤の溶液に漬けたり
スプレーしたりすることで、機能を高めたもの。
《 プリント 》 : プリントに使う顔料の多くは不溶性なので、発色も鮮やかで イ
ンパクトのあるものになります。
《 フィルム加工 》 : フィルム加工は、絵柄の付いたフィルム板を革に貼る
方法です。 少し凹凸ができるため、型押しのように見せることもできます。
【 Ⅶ.コーティング系 】
革の光沢をより強調することができる仕上げ方法です。 コーティングのし
かたによってはキズを隠す効果もあります。
《 ラミネート加工 》 : 積層プラスチックを使って表面をコーティングして仕上
げる方法です。 エナメルに似たツヤが出る上に、防水効果も期待できます。
《 エナメル 》 : エナメルとは、「クロムなめし」 をした後、エナメル・ポリウ
レタンなどの合成樹脂を塗装して、銀面にツヤツヤな光沢と耐水性を持
たせた革です。 財布やバッグ、ドレスシューズなどに使用されます。
「日本の伝統工芸の漆塗り」 にヒントを得て考案され、米国でパテント
(特許)が取られたことから 「パテントレザー」 とも呼ばれています。
表面に樹脂が塗られているので汚れが付きにくく、手入れも固く絞っ
た布で汚れを拭き取ればOKです。
《 ガラス張り革 》 : クロムなめしを施して乾燥させてから、革の表面をサ
ンドペーパーで磨き塗装したものです。
《 オイル、ワックス仕上げ 》 : 本来は防水効果のためであったが、プルアッ
プや焦がしなどのファッション効果を求めて施されることが多い。
《 サドルレザー 》 : タンニンなめしを施した牛革(=ヌメ革)の表面を 「グ
レージング」 という方法っで光らせることでサドルレザーになります。
グレージングは、染料やコーティング剤などを一切使わず、こすること
で光らせていきます。 サドルレザーはもともと「鞍(くら)の革」 という意味
で、古くから乗馬用の馬具として親しまれてきました。
時が経つにつれて、しだいに変化していく色がサドルレザーの大きな
魅力といえます。
メンテナンスとして、半年に1度くらいのペースでニ―ツフットオイルを
塗りましょう。
《 革の種類 》
【 牛 革 】 : もっとも一般的な革。 基本的にはすべて肉牛の皮が使用され、
成牛の背中から脇までの皮を使うのが一般的。
また、牛革は表面にエンボス加工を施すことでオストリッチ・ワニ・ヘビなど
の模造をすることも可能なので、その分広く用いられています。
《 カーフスキン 》 生後約6ヶ月までの仔牛からできる革。 薄手で、繊維組
織が緊密でキメ細かく非常に美しい。 また、仔牛なので傷が少なく しなやか。
1頭から採れる量が少なく、高級品です。
《 キップスキン 》 生後6ヶ月から2年の牛皮。 厚みが加わり、カーフに次い
キメ細かく、厚みがある分豊かな美しさがあります。
《 カウハイド 》 出産経験があり、生後2年程度経過している雌牛の皮。 ス
テアハイドより薄くなめらかで、柔らかい。
《 ステアハイド 》 生後2年以上経過した去勢された雄牛からできる最も一
般的な牛革。 厚手で耐久性に優れています。
《 ブルハイド 》 去勢されずに育ち、生後3年以上経過した雄牛の皮。 繊維
が粗く、分厚くて丈夫、強度があります。 主にくつ底、安全靴などの工業用の
くつに用いられます。
【 馬 革 】 : 牛革よりも薄くて軽く、しなやかで柔軟性があり、シワになりに
くいという特徴があります。 コードバン以外の比較的柔らかい部分は、くつ
の内革として多く使用されています。
《 コードバン 》 農耕馬の臀部にあたる部分の分厚い皮革。 この名称はス
ペイン・コルドバ地方の山羊革に似ていることに由来すると言われています。
1頭から採れる量はごくわずか、農耕馬自体も年々数が減っているので
比較的入手困難。 その希少性と質の高さにより、皮革のなかでも特に高級
品といわれ、財布や名刺入れ、高級くつ、高級ランドセルなどに使用される
ことが多いようです。
特筆すべきは、「革の宝石」 とも呼ばれる表面の美しさ。 通常の皮革は
コラーゲン繊維がからみ合いながら横に走っているのに対して、コードバン
のコラーゲン繊維は整然と縦に並んでいる。 そのため非常になめらかでし
っとりとした質感になっています。
また、通常の革が 「床」 といわれる基層の上に 「銀面」 といわれる表層
が乗っている2層構造であるのに対し、コードバンは「床」 にあたるコードバ
ン層のみで成りたつ単層構造になっているのが特徴です。 そのため、通常
の革ではよく見られる 「浮き」 という現象が起こりません。
現在、馬革を原皮の加工から表面仕上げまでを一貫して行っている業者
は、世界でアメリカの 「ホーウィン社」 と兵庫県の 「新喜皮革」 の2社のみと
なっているようです。
【 ヤギ革 】 : ゴートスキン。 羊皮より充実した繊維組織で、強くやや硬い。
銀面は特有の凹凸をもち耐摩耗性に優れている。ヤンピーとも呼ばれる。
加工によって美しい鏡面のような光沢をだすことも可能です。
【 羊 革 】 : シープスキン。 キメが細かく、毛穴が目立たず、非常に柔ら
かくてしなやかなのが特徴。
脂肪の穴が多く、なめしたあとも革に多くの空隙が残るので断熱・保温
効果が高くなります。 そのため、防寒用の衣料にも多く使用されています。
【 仔 羊 革 】 : ラムスキン。 生後およそ2ヶ月までの子羊の皮。 キメが細
かく柔らかで毛穴か目立たないのはシープスキンと同じ。 数ある革のなか
でも群を抜いて柔らかくてしなやかで軽い。
男性的なイメージが強い皮革製の衣服ですが、「革のシルク」 とも言わ
れるラムスキンは女性向けの衣服にも多く用いられています。
(※) 羊や山羊の毛皮や皮革のことをさしてムートンといいます。
【 豚 革 】 : ピッグスキン。 耐摩耗性に優れ、水に強い。 脂肪分が抜け
ても硬くならず、カバンを作るには理想の素材だと言われています。 主に
くつの内革に使用されてきました。
加工の幅がとても広く、柔らかい革(衣料用)にすることも固い革にもす
ることができ、また半透明に加工してランプシェードなど工作用に使われる
こともあるようです。
ただ、表皮の下には脂肪層があるので牛革のように厚い革にはできな
いのが特徴。
従来、3つずつまとまった毛穴によりひと目で豚革だと分かることから価
値が低いとされてきましたが、近年では海外の高級ブランドでも多く用いら
れるようになりました。 日本から輸出される数少ない革でもあります。
【 鹿 革 】 : ディアスキン。 動物皮革のなかで最も細かい繊維束を有し
ていますが、からみ合いが粗く非常に柔らかい革。 水洗いできるのが特徴。
繊維が細かくふき取る能力が高いため、メガネ拭きやセーム革として用
いられます。 また、繊維の細かさは通気性と保温性、また親水性につなが
るため、剣道の防具や手袋に用いられています。
【 ダチョウ革 】 : オーストリッチ。 羽を引き抜いた跡であるクィルマーク
と呼ばれる突起が特徴。
クィルマークがある部位はダチョウ革の中でも一部であるため、大変
希少であるとされています。 革そのものも丈夫で、柔軟性も高いことか
ら、バッグや財布などを中心に高級素材として利用されています。
【 ワニ 革 】 : 独特のウロコ模様をもち、高級感がただようワニ革は昔か
らとても人気があり、エルメスやシャネルなどの高級ブランドでも好んで用
いらています。 日本では「印鑑ケース」 としても多く用いられています。
腹部の模様を使う場合を 「肚(はら)ワニ」 (上)、背の部分を使う場合を
「背ワニ」 (下) といいます。
クロコダイルをはじめ野生のワニは絶滅危惧種としてワシントン条約で
保護されているので、流通しているワニ革は、その8割以上が養殖された
ワニの革です。
ワニを成長させるにはとても時間がかかるため、年々供給が追いつか
なくなっているようです。
牛革に「型押し」を施してワニ革を模造しているものも多いので注意が
必要です。 見分け方として、
①.匂いで区別する
②.ウロコとウロコの間の溝に沿って折ってみる。 本物なら割れます
③.本物は完全な左右対称ではない。
【 サメ 革 】 : シャークスキン。 ナイフで突き刺しても貫通しないと言われ
るほど頑丈で、水に強いという特徴があり、メンテナンスもさほど必要では
いと言われています。
その丈夫さから、ロレックスやブライトリングなど高級時計ブランドが腕
時計のバンドにシャークスキンを用いています。
日本では、刀の柄の部分に巻いて滑り止めとして使用しています。
鮫肌と言われるウロコ部分の革は、サンドペーパー(紙やすり)やわさび
のおろし金にも使われています。
⑦.The Best Of 革ジャンのお手入れ
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-6
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【 Ⅳ.起 毛 系 】
起毛系は、革のぬくもりを感じさせる仕上げ方法になります。 表側を起毛
したものと、裏側を起毛したものの2タイプがあります。 滑らかな革の表面
をサンドペーパーで磨くことで、皮革にしか出せない温かみのある手触り
を生み出すことができます。
《 スエード 》 : 革の「ウラ面」をサンドペーパーややすり等でビロード状
に起毛させ、独特の光沢を引き出した革。 毛足が短く柔らかいものほど
上質であるとされています。
スエードという名称は、「スウェーデンで考案された技法」 ということに
由来します。
主にクロムなめしを施した牛革、ヤギ革、羊革が用いられます。 また、
銀面ではなく 「床革」(⇒ コードバン) を使用する場合もあるようです。
スエードレザーのメンテナンスに関しては、クレープブラシ、ゴムブラ
シ、スエード専用消しゴム、防水スプレー等を使用します。 保管する際
には、通常の革と同じく通気性の良いところで保管します。
《 ヌバック 》 : 革の 「表面」 をサンドペーパーやすり等で起毛させたもの。
デザイン目的でドレスシューズに用いるほか、傷を目立たせないというコト
で登山靴にも用いられるが、後者の場合は、防水性の高いオイルド・ヌバ
ックが使用されます。
ヌバックという名称は、「Neo - back」 が語源だといわれています。
メンテナンスと保管についてはスエードと同じ。
ヌバック(黒) と スエード(茶)
《 バックスキン 》 : 「雄鹿の革の表面(buck)」 をサンドペーパーやすり
等で起毛させたもの。
《 ベロア 》 : 主に 「仔牛や小動物の革の裏面」 をサンドペーパーやすり
等で起毛させたもので、スエードよりも表面が粗く毛足が長い仕上がりに
なります。
また、毛足の長い仕上がりをベロアレザー、毛足の短い仕上がりをス
エードレザーと分類する場合もあります。
最近では、「ナップド・レザー」 とも呼ばれ、レザーシャツ、ハンドバッグ、
デザート・ブーツやワラビー等に使われている人気革素材です。
メンテナンスと保管については、スエードと同じ。
ベロア と ヌバック
【 Ⅴ.エンボス系 】
革がもともと持つ凹凸をあえて強調することで、独特の風合いを引き出す
加工。 この加工法により、革製品の用途の幅が飛躍的に大きくなります。
《 型押し 》 : 牛革などの表面に彫刻版をプレスして型をつけたもの。篭
目模様、文字、ほかの動物の革の模造など、さまざまな模様つけること
ができます。 本物と型押しの見分け方については ⇒ 【 ワニ革 】
《 もみ革 》 : なめしたあと、手でもむことによりシボ(シワ)をつけられた
革で、クツやバッグ、ベルトなどで見られる加工法です。 揉みこまれるれ
ているので、柔らかくなっています。
《 シュリンクレザー 》 : シュリンクレザーとは、革のなめし加工中に専用
の薬品を用いて銀面を縮ませることによりシワをよせた革。 「もみ革」 よ
りも、シボの風合いが強くなります。
《 メッシュ 》 : 豚やヤギなどのやわらかい革をヒモ状にして、機械にかけ
て織る加工方法です。 通気性に優れ、涼しげに見えるため、夏用の製品
に多く使われます。
【 Ⅵ.カバーリング系 】
カバーリングは革の風合いを楽しむことよりも、キズが付いたり濡れたり
することによる変質・変形防止を重視した仕上げ方法と言えるでしょう。 革
の表情に変化をつけることもできます。 顔料仕上げもこれに含まれます。
《 はっ水、防水加工 》 : フッ素やシリコン、防水用加脂剤の溶液に漬けたり
スプレーしたりすることで、機能を高めたもの。
《 プリント 》 : プリントに使う顔料の多くは不溶性なので、発色も鮮やかで イ
ンパクトのあるものになります。
《 フィルム加工 》 : フィルム加工は、絵柄の付いたフィルム板を革に貼る
方法です。 少し凹凸ができるため、型押しのように見せることもできます。
【 Ⅶ.コーティング系 】
革の光沢をより強調することができる仕上げ方法です。 コーティングのし
かたによってはキズを隠す効果もあります。
《 ラミネート加工 》 : 積層プラスチックを使って表面をコーティングして仕上
げる方法です。 エナメルに似たツヤが出る上に、防水効果も期待できます。
《 エナメル 》 : エナメルとは、「クロムなめし」 をした後、エナメル・ポリウ
レタンなどの合成樹脂を塗装して、銀面にツヤツヤな光沢と耐水性を持
たせた革です。 財布やバッグ、ドレスシューズなどに使用されます。
「日本の伝統工芸の漆塗り」 にヒントを得て考案され、米国でパテント
(特許)が取られたことから 「パテントレザー」 とも呼ばれています。
表面に樹脂が塗られているので汚れが付きにくく、手入れも固く絞っ
た布で汚れを拭き取ればOKです。
《 ガラス張り革 》 : クロムなめしを施して乾燥させてから、革の表面をサ
ンドペーパーで磨き塗装したものです。
《 オイル、ワックス仕上げ 》 : 本来は防水効果のためであったが、プルアッ
プや焦がしなどのファッション効果を求めて施されることが多い。
《 サドルレザー 》 : タンニンなめしを施した牛革(=ヌメ革)の表面を 「グ
レージング」 という方法っで光らせることでサドルレザーになります。
グレージングは、染料やコーティング剤などを一切使わず、こすること
で光らせていきます。 サドルレザーはもともと「鞍(くら)の革」 という意味
で、古くから乗馬用の馬具として親しまれてきました。
時が経つにつれて、しだいに変化していく色がサドルレザーの大きな
魅力といえます。
メンテナンスとして、半年に1度くらいのペースでニ―ツフットオイルを
塗りましょう。
《 革の種類 》
【 牛 革 】 : もっとも一般的な革。 基本的にはすべて肉牛の皮が使用され、
成牛の背中から脇までの皮を使うのが一般的。
また、牛革は表面にエンボス加工を施すことでオストリッチ・ワニ・ヘビなど
の模造をすることも可能なので、その分広く用いられています。
《 カーフスキン 》 生後約6ヶ月までの仔牛からできる革。 薄手で、繊維組
織が緊密でキメ細かく非常に美しい。 また、仔牛なので傷が少なく しなやか。
1頭から採れる量が少なく、高級品です。
《 キップスキン 》 生後6ヶ月から2年の牛皮。 厚みが加わり、カーフに次い
キメ細かく、厚みがある分豊かな美しさがあります。
《 カウハイド 》 出産経験があり、生後2年程度経過している雌牛の皮。 ス
テアハイドより薄くなめらかで、柔らかい。
《 ステアハイド 》 生後2年以上経過した去勢された雄牛からできる最も一
般的な牛革。 厚手で耐久性に優れています。
《 ブルハイド 》 去勢されずに育ち、生後3年以上経過した雄牛の皮。 繊維
が粗く、分厚くて丈夫、強度があります。 主にくつ底、安全靴などの工業用の
くつに用いられます。
【 馬 革 】 : 牛革よりも薄くて軽く、しなやかで柔軟性があり、シワになりに
くいという特徴があります。 コードバン以外の比較的柔らかい部分は、くつ
の内革として多く使用されています。
《 コードバン 》 農耕馬の臀部にあたる部分の分厚い皮革。 この名称はス
ペイン・コルドバ地方の山羊革に似ていることに由来すると言われています。
1頭から採れる量はごくわずか、農耕馬自体も年々数が減っているので
比較的入手困難。 その希少性と質の高さにより、皮革のなかでも特に高級
品といわれ、財布や名刺入れ、高級くつ、高級ランドセルなどに使用される
ことが多いようです。
特筆すべきは、「革の宝石」 とも呼ばれる表面の美しさ。 通常の皮革は
コラーゲン繊維がからみ合いながら横に走っているのに対して、コードバン
のコラーゲン繊維は整然と縦に並んでいる。 そのため非常になめらかでし
っとりとした質感になっています。
また、通常の革が 「床」 といわれる基層の上に 「銀面」 といわれる表層
が乗っている2層構造であるのに対し、コードバンは「床」 にあたるコードバ
ン層のみで成りたつ単層構造になっているのが特徴です。 そのため、通常
の革ではよく見られる 「浮き」 という現象が起こりません。
現在、馬革を原皮の加工から表面仕上げまでを一貫して行っている業者
は、世界でアメリカの 「ホーウィン社」 と兵庫県の 「新喜皮革」 の2社のみと
なっているようです。
【 ヤギ革 】 : ゴートスキン。 羊皮より充実した繊維組織で、強くやや硬い。
銀面は特有の凹凸をもち耐摩耗性に優れている。ヤンピーとも呼ばれる。
加工によって美しい鏡面のような光沢をだすことも可能です。
【 羊 革 】 : シープスキン。 キメが細かく、毛穴が目立たず、非常に柔ら
かくてしなやかなのが特徴。
脂肪の穴が多く、なめしたあとも革に多くの空隙が残るので断熱・保温
効果が高くなります。 そのため、防寒用の衣料にも多く使用されています。
【 仔 羊 革 】 : ラムスキン。 生後およそ2ヶ月までの子羊の皮。 キメが細
かく柔らかで毛穴か目立たないのはシープスキンと同じ。 数ある革のなか
でも群を抜いて柔らかくてしなやかで軽い。
男性的なイメージが強い皮革製の衣服ですが、「革のシルク」 とも言わ
れるラムスキンは女性向けの衣服にも多く用いられています。
(※) 羊や山羊の毛皮や皮革のことをさしてムートンといいます。
【 豚 革 】 : ピッグスキン。 耐摩耗性に優れ、水に強い。 脂肪分が抜け
ても硬くならず、カバンを作るには理想の素材だと言われています。 主に
くつの内革に使用されてきました。
加工の幅がとても広く、柔らかい革(衣料用)にすることも固い革にもす
ることができ、また半透明に加工してランプシェードなど工作用に使われる
こともあるようです。
ただ、表皮の下には脂肪層があるので牛革のように厚い革にはできな
いのが特徴。
従来、3つずつまとまった毛穴によりひと目で豚革だと分かることから価
値が低いとされてきましたが、近年では海外の高級ブランドでも多く用いら
れるようになりました。 日本から輸出される数少ない革でもあります。
【 鹿 革 】 : ディアスキン。 動物皮革のなかで最も細かい繊維束を有し
ていますが、からみ合いが粗く非常に柔らかい革。 水洗いできるのが特徴。
繊維が細かくふき取る能力が高いため、メガネ拭きやセーム革として用
いられます。 また、繊維の細かさは通気性と保温性、また親水性につなが
るため、剣道の防具や手袋に用いられています。
【 ダチョウ革 】 : オーストリッチ。 羽を引き抜いた跡であるクィルマーク
と呼ばれる突起が特徴。
クィルマークがある部位はダチョウ革の中でも一部であるため、大変
希少であるとされています。 革そのものも丈夫で、柔軟性も高いことか
ら、バッグや財布などを中心に高級素材として利用されています。
【 ワニ 革 】 : 独特のウロコ模様をもち、高級感がただようワニ革は昔か
らとても人気があり、エルメスやシャネルなどの高級ブランドでも好んで用
いらています。 日本では「印鑑ケース」 としても多く用いられています。
腹部の模様を使う場合を 「肚(はら)ワニ」 (上)、背の部分を使う場合を
「背ワニ」 (下) といいます。
クロコダイルをはじめ野生のワニは絶滅危惧種としてワシントン条約で
保護されているので、流通しているワニ革は、その8割以上が養殖された
ワニの革です。
ワニを成長させるにはとても時間がかかるため、年々供給が追いつか
なくなっているようです。
牛革に「型押し」を施してワニ革を模造しているものも多いので注意が
必要です。 見分け方として、
①.匂いで区別する
②.ウロコとウロコの間の溝に沿って折ってみる。 本物なら割れます
③.本物は完全な左右対称ではない。
【 サメ 革 】 : シャークスキン。 ナイフで突き刺しても貫通しないと言われ
るほど頑丈で、水に強いという特徴があり、メンテナンスもさほど必要では
いと言われています。
その丈夫さから、ロレックスやブライトリングなど高級時計ブランドが腕
時計のバンドにシャークスキンを用いています。
日本では、刀の柄の部分に巻いて滑り止めとして使用しています。
鮫肌と言われるウロコ部分の革は、サンドペーパー(紙やすり)やわさび
のおろし金にも使われています。
⑦.The Best Of 革ジャンのお手入れ
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-11-06-6
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