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「あまちゃん」 と 「半沢直樹」 についての考察と比較 [テレビドラマ]

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ネットの中ではもっとも本格的な 「あまちゃん」 と 「半沢直樹」 の批評
と比較論 ! 半沢直樹 はナゼここまで高い人気を得たのかを分析。 全
話が終了した今、この2大傑作についてあらためて詳しく考察しています。
リンクもたくさん。 画像もタップリ ! !

  あまちゃんと半沢直樹についてはこの文章の他にもいくつか記事を
書きました。 以下、関連する部分にリンクを貼りますので、そちらも読ん
でいただけると嬉しいです。

  以下、人物についてはすべて敬称略ということで失礼します。

【 総 論 】

  多くの人々の心を捉え、ともに 「社会現象」 とまで言われた2つの傑
作ドラマが、奇しくも先日まで同じクールで並行して放送されていました。

  あまちゃんの放送開始は4月1日。 東北を舞台にヒロインがアイドル
を志すという斬新なストーリー。

小泉今日子がヒロインの母親役を務めるということが注目されたこ
のドラマは、初回から20%を超える高視聴率を記録しました

  スタート直後から、番組内のシーンなどをイラストにしてツイッターに
公開するユーザーが多数あらわれます。

やがて5月末になると、同じくツイッター上で自然発生的に 「あまちゃ
ん絵祭り」 が開かれるなど、早くもブームといえる状況に。

  さらに7月になると、ネットでの反響の多さについてNHKのニュース番
組で報道されるまでに至り、「社会現象」 という称号を得るに至りました。


一方、半沢直樹の放送開始は7月7日。 このドラマは、一般的に視
聴率を取りにくいと言われている 「経済ドラマ」 です。

さらに、女性の登場人物が少なく、恋愛の要素もない、さらに主題歌
や挿入歌もないという、従来のドラマ界の常識に逆行するモノでした。

 そのため制作者は、主な視聴層を30代以上の男性と想定、数字的に
は12, 3%から徐々に上げていき、最終話で20%を目標、平均視聴率で
15%ほど取れればそれで良いと考えていたといいます。

ところが、番宣が功を奏したのか初回から19, 4%を獲得。 その後も
視聴率は回を追うごとにほぼ2%ずつ上昇をつづけ、第9回は35, 9%、
そして最終回に至っては42, 2%を記録。

  この最終回の視聴率は、民放ドラマ歴代4位という輝かしい結果となり、
こちらにも 「社会現象」 という形容がなされました。


  以上のように、表面上の数字については半沢が大きく勝っているように
も思えます。

しかし、放送の時間帯(早朝と日曜日の午後9時)や視聴スタイルの
変化 (録画やBSプレミアム) などを考慮すると、あまちゃんの実質視聴
率は50%を超えているという週刊誌上の記載も見られます。

  最終回のあと、あまちゃんの放送終了を悲しむ声がネットに多く寄せら
れ、「あまちゃんロス症候群(あまロス)」 なる言葉も生まれました。

  一般に 「社会現象」 という言葉は、ドラマや映画・小説などが大ヒットし
た際に、それを誇張するためメディアがよく用いる表現ですが、あえて特
定すると以下のようなニュアンスではないでしょうか。

  「何かのモノゴトが流行した場合に、全員が全員ともそのコトに直接に
ハマったり、そのコトに直接興味をもっているわけではないが、世間では
それが流行っていて多くの人の心を捉えているという事実については1
人残らずみんなが知っている」 という状態のこと。


  僕も、あまちゃん・半沢ともにネットで数回にわたって観ましたが、両者
の魅力を語る前提としてまず押さえておきたいのは、この2つのドラマは、
その魅力の示し方がまったく異なっているということです。

  「半沢直樹」 はその特徴として、ムダな部分を思い切ってけずり、描く
部分を主人公半沢のビジネスバトルに限定しています。

  中心に骨太の1本線が通り、それ以外の部分については極力排除して
いる。 そのため、きちんとしたキャラが与えられる登場人物も必要最小限
に絞られています。

  例えば国税局査察部、金融庁検査局については 「黒崎とその他の部
下たち」 という描き方で通しています。 部下に個性はありません。 また
半沢の家庭についても、子供はいるものの現実には1度も姿を見せない
というほど徹底されています。

  妻である花との家庭のシーンは物語唯一の休憩所です。 物語が高速
道路だとすると、ちょっと脇道にそれたSA(サービスエリア)。 そこでいっ
ときの休憩をしして、ごはんを食べて、給油をして、そして再び本線に戻っ
て走り始める。


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  そこは、ドラマの張り詰めた雰囲気を緩和するためのブレイクタイム
にすぎず、ストーリー的には本来必要のない部分。 その効果を強める
ために、家庭での半沢は終始ゆるんだ面しか見せません。

  このようにムダを省いた結果メインストーリーがより強調され、テン
ポよく進展します。

  物語の手法として、仕組まれた陰謀を1つ1つ解き明かしていくとい
う推理小説のような展開。 これにより観る方も思わず一緒に考えてし
まうのでいつの間にか引き込まれてしまいます。

  タイムリミットの設定。 これによって臨場感、ドキドキ感が増します。

放送回ごとに必ずクライマックスが用意され、そこに向けて話が盛り
上がっていくという展開。 これによってストーリーが中だるみせず、視
聴者が途中で離れてしまうことを防ぎます。

  これらがストーリーの面における工夫です。

  後に述べるように、これに演出面での工夫がプラスされます。 この
ドラマは、方向としては観る者の心を大きく揺さぶることを目的にしてい
るのだと思います。

  その結果、視聴者は濃密な1時間を過ごすことができ、心を大きく
動かされた分だけ、実際以上に面白かった、楽しかったという感想を
抱くことになるのだと思います。

  ところが、観終わってしまうと案外心に残っていない。 なので、内容
を思い返して余韻に浸るというよりも、観終わってスッキリ爽快 !  さあ、
次は何をしよう? という感じ。


一方のあまちゃんは、ドキドキ感や臨場感、のめり込み感は半沢
に遠く及ばないけれども、観終わったあとも内容はしっかりと心に残って
いるし感動の余韻も長つづきする。

同じ回を何度も見直したくなるという感じです。

  両者とも早くつづきが観たくなるけれど、その感覚は微妙にちがう。

  半沢の場合、次の展開が気になって仕方がないのに対して、あまち
ゃんの場合は、はやく再びあまちゃんの世界に浸りたい、できればずっ
と浸っていたいという気持ち。 

  極端に言えば、あまちゃんの場合は物語の展開をたのしむことよりも
むしろドラマの中の世界とつながることができるという、そのこと自体を
望んでいる感じです。


  あまちゃんの方が印象が心に残るというのは、1つは次の理由によ
る ものだと思います。

1つの骨太のラインを集中的に描いている半沢とは対照的に、あま
ちゃんでは多くの人物の物語が少しずつ同時並行的に描かれています。

  ということはつまり、1つ1つの出来事に対して、複数の人物の視点か
ら何度も描かれること。

  例えば、Aという出来事について、アキの視点から見た解釈、春子の
視点から見た解釈、さらに水口から見た解釈 ・・・・・ というように、同じ
出来事について違った面から何度も描かれることになるワケです。

  この場合、Aについて、1つの視点から1度きり描かれるというよりは、
Aについての理解がより深まる=より強く印象に残るのは当然です。


  このような2つのドラマの性質の違いについて、「半沢直樹はハリウッド
映画で、あまちゃんはヨーロッパの映画である」 という言い方ができると
思います。

  ハリウッド映画、とくに80年代後半以降のハリウッド映画というは、言っ
てみればアミューズメントパークというか、「ムズカシイことは考えずに、ひ
とときの楽しい時間を過ごし、スッキリして帰ってください」 という方向の映
画が大半であったような気がします。

  そのため、映像については1つ1つのカットが短く視点が多い。 音響に
ついても大音量効果音が多く、音楽もオーケストラのような派手なものが
多い。

  このような、観る者の感情の起伏が大きくなることを目指す手法が多い
と思います。

  それに対して、ヨーロッパの映画は小説のような印象というか、内容が
観る者の心にゆっくりと染み込んでいくような映画が多いような気がします。

  これは、両者の映画についての考え方が異なっていること以外にも、両
者の制作資金の規模の違いによって否応なくそういう結果になってしまう
という面もあるとは思いますが。



  映画の話が出たトコロで、ここで少しわき道にそれてハリウッドの役者
たちに関する話を1つ (興味のない方はとばしちゃってください)。

《 ハリウッドの役者たちはナゼあんなに偉いのか? 》

  ハリウッドの役者たちというのは、なにかちょっと偉そうというか、日本
の役者と比べてもう少しハイクラスな人たちであるように見えます。

  それはもちろん、彼らはテレビなどには出ない 完全な 「映画俳優」 で
あるということや、そもそも収入のケタがちがうであるとか、そういう理由
からきているところもあると思います。

  しかし、じつは理由はそれだけではないのです。 以下でお話しするよう
に、彼らはじっさいに日本の役者たちよりもちょっと偉いのです。

また、彼らが歩くところには当然のように 「赤い絨毯」 が敷かれていた
りもします。 「赤い絨毯」 というのは本来、国賓であるとか議員であるとか、
いわゆる本物のVI Pの人たちのために敷かれるモノ。

それを承知の上で赤絨毯の上を歩くというのは「私たちもVI Pの人たち
とどうか同格だ」 というコトを主張しているとも受け取れます。
 
 これはどういうコトでしょうか?
 
  ご存知のとおり、アメリカというのは若い国です。 その歴史は、わずか
230年余り。

そのためアメリカには、日本における能や歌舞伎、ヨーロッパにおける
オペラやクラシックミュージック、ロシアにおけるバレエにあたるような、歴
史に基づく世界に誇れるような伝統文化が存在しません。

映画の技術は1904年、フランスのリュミエール兄弟によって発明され
ました(シネマトスコープ)。

  その後、動く映像をどうやって人に見せるか(映画の方式)についてさま
ざまなタイプのものが模索されていき、それらの中でどの方式が生き残る
のかについての競争の時代にはいります。 図式的には欧州vs米。

  それは、かつてのVHSとベータ、現在における液晶TVとプラズマTVの
競争と同じです。 アメリカにおいてその映画事業に取り組んでいたのが発
明王エジソンです。

  ですが、結局エジソンが推進していた方式は敗北し、一旦はヨーロッパ
側の勝利となります。 ところが、その後すぐに第1次大戦が勃発し、欧州
世界が丸ごと沈んでしまうのです。

  以降アメリカは自覚的に、新しく誕生した映画という文化・芸術を、世界
に冠たるアメリカ文化にするため国を挙げて保護育成してきました。 192
0年代には、アメリカ映画は1度目の黄金期を迎えることになりました。

 
  ということで、アメリカにとって映画というものは、国を代表する国文化で
あり、日本における能や歌舞伎と同じ地位を占めているのです。

  つまり、ハリウッドの役者たちは言ってみれば日本の能役者、歌舞伎役
者と同じ身分、人間国宝に認定される人たちと同格にあたるわけです。

 映画という文化は今現在リアルタイムで世の中を席捲しているので、そう
いう面がわかりづらくなっているということなのです。

 事実、アメリカには「映画保存法」 という法律があり、その法律によって映
画作品が国宝として指定されています。

  指定されているのは、国民の創生、市民ケーン、ローマの休日、ゴッドフ
ァーザー、スターウォーズ など、わずか10数本のみ。

これらの映画は 「国民の子孫たちに伝えていくため永久に保存していか
なければならない」 と法で定められているのです。



【 「半沢直樹」 について 】

  それではドラマの話に戻りましょう。 「半沢直樹」 の話です。

  上で紹介したように、従来は視聴率を得にくいとされていたジャンルに
属し、制作スタッフも数字的には期待していなかったこのドラマですが、フ
タを開けてみれば正反対、歴史に残るほどの高視聴率を記録しました。

  この原因についてはケッコウ難しく、ネットを調べてみたところ、なんとテ
レ朝とフジテレビの社長が直々に分析し、その意見がUPされていました。
しかも、クリックしてみるとすでに削除されているという不自然さ。

このほか、コピーライターや経済アナリスト、科学ジャーナリストなど、各
分野の専門家たちがわざわざコメントを寄せているようです。

  肩書きがあればイイってもんじゃないだろ、という気もしますが。

  それでは、この場においても大ヒットの理由を考えてていきましょう。

  まず、ドラマの具体的な特徴以前に、そもそも人々が半沢直樹第1話を
観てみたくなった理由から。

・ 経済ドラマ、というか銀行ドラマという近年あまり観られなかった内容が、
逆に新鮮に感じられたということ。

・ 原作版が面白いという評判。

・ 銀行ドラマというコトで、経済の一般知識としてチェックしておこうという
気持ち。

・ 日曜日の夜9時というイイ時間帯。

・ 菅野美穂の旦那がどんなものなのか観てみたいという気持ち。

・ 黄色1色の背景にタイトルが大きく記されたロゴのデザイン。 こまかい
コトですが、ロゴはドラマの顔なので、けっこう大切なコト。


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タイトルは人の名前ということで、あえて明朝体で記されてます。 色
は赤1色でもよかったかもしれませんが、 じっさいに作って比べてみる
と黄色の方がしっくりきたのでしょう。

  こういうシンプルなデザインはとてもイイと思います。。

  また、黄色は食欲をそそる色だとも言われています。 ということは、
興味をそそるというこういうことにもつながるような気がします。


総論の部分で、半沢はムダな部分を一気に削ったシンプルなドラマで
理念型としてのハリウッド映画のように娯楽に徹しているということ、臨場
感を高めるためさまざまな手法を用いていることなどを書きました。

  ここでは、そのつづきです。 半沢直樹はたった10話、しかも2部後構
成になっています。 ということは、わずか5話にすべてを詰め込んで1つ
の話を描ききらないといけません。

  そのためには内容をシンプルにする以外にも工夫が必要です。 シン
プルで集中的に、そして短時間で観る者に印象付けるために、含まれる
要素はすべて強調する必要があります。

  半沢の登場人物、そしてその演技もセリフもみな 「濃い」 といわれてい
ます。 これは娯楽性を高めるためというコトもありますが、短い時間で描
ききるためにそれらを強調したということです。

  5話で完結するわけですから、人物のキャラもできるだけ早く定着させ
たい。 できれば第1印象で、およそどういう人物なのか分からせたい。

  それが見事に成功しているのが黒崎です。 1秒見れば一生忘れられ
ないほどの顔とキャラをもっています。 僕も一瞬にしてファンになってしま
いました。


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  映像面では、こちらが引いてしまうほどに人物のアップ、「顔面のどアッ
プ」 が多用されています。 ココまでどアップを多用するドラマはほかに観
たことがありません。

  これは推測ですが、半沢は、要は 「ドラマで演劇を放送した」 ということ
なのだと思います。

  下のプロフィールの部分に書きましたが、主人公を演じている堺雅人は
もともと舞台の申し子とも言える役者です。

  また、香川輝之、黒崎役の片岡愛之助、近藤役の滝藤賢一も舞台役者
であるといえます。

(※) ・ 香川 照之 (かがわ てるゆき) は、1965年生まれ、東京都出身。
女優、浜木綿子の息子。 東京大学文学部卒業。

歌舞伎役者でもあり、名跡 「市川中車」 の当代、九代目 市川 中車(くだ
いめ いちかわ ちゅうしゃ)を名乗る。 屋号は澤瀉屋。


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・ 六代目 片岡 愛之助 (ろくだいめ かたおか あいのすけ) は1972年
生まれ、大阪府堺市の出身。 歌舞伎役者。 屋号は松嶋屋。 子供の頃
から現代劇の舞台で経験を積み、タレント養成所にも通った。


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・ 滝藤賢一 (たきとうけんいち) は、1976年生まれ、愛知県名古屋の出身。 高校卒業後、
オーディションを受けて合格したことを機に俳優を志す。

  その後、1998年から07年まで俳優・仲代達矢主宰の俳優養成所
「無名塾」 に在籍、舞台を中心に活動していた。 無名塾の同期には真
木よう子、内浦純一がいる。


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真木よう子 とそのプロフィール、主演映画「さよなら渓谷」 について
はこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-06-23

  及川光博も奥さんが宝塚出身。 上戸彩も子役の頃から芝居をやってい
るベテランです。


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  おそらく、「顔のどアップ」 も演劇と同じような効果をだすためではない
でしょうか?

舞台の上の役者は、顔にどぎついメイクをしているのが普通です。 こ
れは顔(人物)を際立たせる=顔を強調しているということです。


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  ドラマでどぎついメイクをするわけにはいきません(黒崎はメイクをして
いるが)。 そうすると、同じ効果を出すためにはアップの多用が考えられる。

  ということではないでしょうか?

  ご存知のように半沢直樹には原作があります。 しかしドラマ版の半沢直
樹には原作とはいくつかの大きな相違点があります。


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 半沢直樹の原作についてと、「倍返し饅頭」 などの便乗商品が売れまくっ
ていることについてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-08-31-5

  1つは、原作では直樹の父親は自殺していないということ。

  そしてもう1つは、原作では大和田常務は土下座はしないということ。
そもそも土下座という要素はでてきません。

この2つの変更によってドラマにどういう変化が起こったかというと、
まず、父親の自殺については、これが加わることによって、この物語が
「復讐劇」 であるということがより鮮明になりました。

  「倍返し」 というのも、つまりは復讐です。 復讐=仕返しというのは人
が行うの行為の中で 「スッキリ感」 がもっとも高いことのウチの1つです。

  「スッキリする」 というのは、ムズカしく言うと 「カタルシス」 ということ。

そして カタルシスは演劇やドラマのいちばん根本的な要素であると、ア
リストテレス大先生が 「詩学」 という著作の中でおっしゃっています。

  復讐は、人間のいちばん根本的な感情の1つで、そのため、ギリシア
神話の 「オイディプス王」 をはじめ世界各地の神話には必ず 「復讐劇」
の体裁をとった物語が多く含まれています。

つまりドラマ版半沢直樹は、自殺した(殺された)父親にかわって仕返し
をするという「復讐劇」 であるというを面を強調したことで、本来ドラマのい
ちばんの目的であるカタルシスが倍増したということです。


  もう1つの土下座はどうかというと、これによって極めて日本人的なコテ
コテの 「人情ドラマ」 という趣が増したといえるでしょう。 そしてもちろん土
下座というのも復讐性を強調する行為です。

  そもそも製作者の側からすると、理屈以前に、過去の経験や統計から、
コテコテの要素が強いドラマは視聴率が高くなる傾向があるというのを
然知っているワケです。

  それは日本一のコテコテドラマ 「おしん」 が歴代ドラマ史上ダントツの
最高視聴率52.6%を記録したということからもわかります。 

「おしん」 は世界63ヶ国で放映され、イランではなんと90%の視聴率を
たたき出しています。 結局、コテコテが好きなのは日本人だけではなく、世
界共通の傾向のようです。 


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  この2つの変更については、原作の方のファンの人たちはかなり
批判しているようです。

  曰く、ストーリーがチープになってしまった、リアリティが損なわれた、
実際の銀行の役員会であんなコトが起こるわけがない、など。

  しかし、これは批判しても仕方のないことだと思います。

  ドラマの製作者は数字を取るのが仕事であって、過去の経験から、
こういうコテコテの要素を入れた方が数字が取れること知っている。

  で、そうしてみたら、見事こんなにスゴイ結果が出たということです。

  やはり、なんだかんだ言っても視聴者はそういうものを好むのでし
ょう。 好むというか、その感情移入しやすいのでついつい見てしまう
ということだと思います。

  そもそも製作者は、こうしていちいちネットで批評を書いたりそれを
読んだりするような、全体と比べて少数派人たちの方は向いていない、
もっとマスの方を向いているのです。

  さらに、このほかの特徴について。

ネットやメディアでは、半沢直樹は水戸黄門のような勧善懲悪物語
で、それが受けたのだという説が多く見られますが、僕はこのドラマは
勧善懲悪だとは思いません。

  勧善懲悪というのは、通常善玉と悪玉がハッキリ分かれているのが
前提あって、その上で善が悪を懲らしめるということですが、半沢は完
全な善ではありません。

  例えば半沢に対して黒崎は、「私たちは国民の血税を守るという尊
い仕事、それに対してあなたがやっていることはキタナイ金貸し」 と批
判します。

  それに対して半沢は反論せずに、むしろ 「その通りだ」 開き直るよう
な態度をみせます。 そもそも半沢が東京に栄転できたのも、支店長の
不正と同罪のこと(告発しない代わりに望みのポジションにつけろとゆ
すった)をやった結果です。

  このように、勧善懲悪を否定して、悪をも飲み込んでしまうという等
身大のキャラである半沢だからこそ共感できるのだと思います。

そもそも半沢が完全に善の側の人物であれば銀行の頭取になると
いう目標は持たないでしょう。

  半沢が一見善に見えてしまうのは、自らが受け持つ会社を立て直そ
うとする際に、まっとうな人物を支持し、私利私欲に走る人間を否定す
るということも理由になっていると思います。

  しかし、私利私欲に走る人間を否定するのは、それが倫理的に正し
くないからではなく、そういう人間が上にいると会社の健全な発展が望
めないからです。

  自分が受け持つ会社の健全な発展は、結局は半沢自身の個人的な
利益につながり、半沢はそのためには手段を選ばないという人物です。


《 決めゼリフはなぜ効果的なのか 》

  最後に述べる特徴として、決めゼリフの存在があります。 「倍返し」
というセリフです。

  この言葉の意味はあまり重要ではなく、単に 「復讐してやる」 と言っ
ているに過ぎません。 つまり、これは復讐劇であるというのをあらため
て確認しているワケです。

  決めゼリフというのは昔からドラマの魅力を増すための典型的な手法
で、たとえば 「運が悪けりゃ死ぬだけさ (俺たちは天使だ)」 「同情する
ならカネをくれ ! (家なき子)」 「そこに愛はあるのかい?(ひとつ屋根の
下)」 「承知しました (家政婦のミタ)」 など。

  あまちゃんの 「じぇじぇじぇ ! 」 も含めていいと思います。

  決めゼリフの効果というのは、1つは、そのドラマを一言で表す記号
であるというコト。 短い言葉によるドラマの宣伝と言ってもいいかもしれ
ません。ドラマにアクセントをつける効果もあると思います。

  もう1つは、決めゼリフというのは、毎回必ず言われる反復行為であ
るということ。

  決めゼリフと似たものとして「お決まり(お約束)の 」 という言い方が
ありますが、反復行為については、コレとからめて説明します。

  「お決まりの」 とは「毎度おなじみの」 というコトであって、言い換える
とコレも、同じことの反復(行為)であるということです。

たとえば水戸黄門でいうと印籠を見せる場面。 必殺シリーズであれ
ば、仕事人たちがそれぞれのやり方で悪人を始末する場面。

  これが毎回くり返される 「お決まりの」 場面 (=反復行為)です。 

  じつは人間にとって、「同じことの反復行為」 というのは心地よい場
合が多いのです。 それはナゼか?

  まずは具体例を挙げます。

   ドラマで言うと 「お決まり」 の場面が毎回訪れる反復行為です。

  ドラマというのは、通常はその先が分からないという状態で観てい
るわけで、だからこそドキドキして面白いということ。

  ですが、そのあいだはずっと緊張して能動的でいなければなりませ
ん。 そして、それは精神的に負担がかかっている状態です。

  なので、ずーっとこの状態だとやがて精神的に疲れてしまいます。

  それとは対照的に、お決まりの場面というのはその先がどうなるの
かあらかじめ分かっている場面です。

  この場合緊張は緩み、受身の態度で、あまり頭を使わなくても流れ
を追うことができる。 つまりリラックスしながら観ることができる場面だ
ということ。

その状態が心地よいワケです。

  もう1度言い直すと、 人は常にある程度先(未来)を予測しながら生
きています。 先を予測しながらというコトは、ある程度緊張しているとい
うことです。

  しかし反復行為の場合、先を予測する必要がないので、その緊張が
ほどけます。 つまりリラックスできるということ。

  瞑想や催眠状態というのは非常に心地いい状態だと言われますが、
それは瞑想している最中や催眠にかかった状態では、人は完全にリラ
ックスしているからです。

  「瞑想状態」 というのは、言い換えると 「完全にリラックス」 している
状態だというコト。 逆に言うと、人が完全にリラックスした状態であるこ
とを指して瞑想状態、催眠状態と呼ぶわけです。

  じつは、人にとって完全にリラックスするというのは非常にむずかし
いことで、訓練しなければ通常は不可能だといいます。 だからこそ瞑
想状態に入れるようになるためにはくりかえし練習が必要なのです。

  これをもう1度ドラマに当てはめると、通常の場面はつねに先を予
測しながら、つまり緊張しながら観ている。

  しかしそれがお決まりの場面になるとその先があらかじめわかって
いるので予測しながら観るという必要がない、つまり緊張が緩む、ある
程度リラックスした状態で観ることができる。

  そしてその状態は瞑想とおなじく心地いい状態である。

  つまりは、リラックスした状態で観ることができるお決まりの場面は、
通常の場面よりも観ていて心地いい。

  お決まりの場面の内容が面白ければ、さらに心地いい。

 これは、歌でいえばサビの部分にあたります。 歌を歌っている場合、
サビの部分に入ると気持ちが少し乗ってきます。

  これは、サビの部分は他の部分よりも印象が強く残っているので
(あらかじめわかっているので)、また、サビの部分はリフレイン(反
復行為)する部分なので、少しリラックスできるから。

  さらに、お決まりの部分、サビの部分の内容がよければ、それはさ
らに心地いいということになります。

 ・・・・・ 以上が、お決まりの場面があるとナゼ心地よく感じるのかと
いうこと。

  そして、決めゼリフというのは、「これからお決まりの部分に入りま
すよ。 少し気持ちを緩めてください。 ここからは心地いいですよ」 と
いうことを伝える合図である、ということです。 

  その合図が、水戸黄門でいうと印籠であり、遠山の金さんの場合は
桜吹雪であり、半沢直樹の場合は「やられたらやりかえす、倍返しだ」
というセリフだということ。

  こう考えるとと、お決まりの場面は、もしかすると弱い催眠にかかっ
たような状態で観ているのかもしれません。

  だからこそ、その場面を何度も観たくなるということなのでしょう。

  かなり理屈っぽい説明になってしまいましたが、ナゼお決まりの場
面や決めゼリフがあると効果的なのか、ナゼ視聴者はそれを観たくな
ってしまうのか?

  という問いに答えるとなると、こういうアンサーになるのなるのでは
ないかと思います。


  さて、僕はこのドラマのいちばんの魅力は、何とも言えない半沢の
「顔」 にあるような気がします。

極論を言うと、魅力の大半はそこにあるのではないかとさえ思います。

  下の画像の、半沢がやたらとやるこの「顔」です。 何回でも見たくなっ
てしまうこの顔。 この 「顔」 ができる役者はおそらく他にはいません。


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  僕は、決め台詞のときやその他感情が高ぶったときに見せる半沢の
顔があまりにもイイので、典型的なワンパターンドラマとして長寿番組
になっていく可能性を秘めているとまで思ってしまいます。

  典型的なワンパターンドラマドラマというのは、上に挙げた水戸黄門
や遠山の金さん、必殺シリーズのような、完成された様式美の域にまで
達している作品のことです。

  これらのが他のすべてのドラマと異なっているのは、視聴者が毎回の
ストーリーよりも、むしろ後半のお決まりのシーンを楽しみにして見ている
ということ。

  決め台詞のシーンをもっと磨いて、終盤の役員会の場面もなにかお
決まりの要素を入れる。

  そしてあとは半沢があの「顔」を何度も見せる。 それだけで視聴者は
何度でも見てみたい、いつまでも見ていたいという気持ちになるのでは
ないでしょうか?

 「倍返しだ ! 」 のシーンと、終盤の取締役会のやり取りのシーンのみ
でリピーターを確保する。

  この、水戸黄門のような域にまでいくのは容易ではないと思いますが、
過去に 「噂の刑事トミーとマツ」 のような前例もあります。

 というか、そう考えると水戸黄門、金さん、必殺 などはとんでもないバケ
モノだということがわかります。

 これも1つの極論ですが、堺雅人のキメの顔は、それほどまでにイイよ
うに思えます。

 クドいですがもう1度貼ります。

  2d053c08.jpg


 ・・・・・・ この顔です。 ほかの役者にこの 「顔」 はできません


  箇条書き風にまとめることはしませんが、以上がドラマ 「半沢直樹」
がここまで人気を得た理由だと思います。

あえてもう1度言うと、イイ顔ができる堺雅人を起用したことと、陰謀
を解き明かしていくという推理小説のような展開。

  復讐劇であることを鮮明にしたり、顔のアップをはじめとする演劇の
ごとく強調された演出を施すことによって、今までのドラマにはになかっ
たほどの強い印象を視聴者に与えることに成功したため。


  もしかすると、半沢直樹の場合、強烈な手法によって観る側は強制
的に面白いと思わされているということなのかもしれません。

  それに対して、あまちゃんの方は自然発生的な(面白いという)感情
なので、だからこそ、その気持ちが長くつづくということです。


  ところで、ラストシーンに戸惑った、がっかりしたという声がありますが、
あれはそういう問題ではなく、続編につなげた終わり方で、クリフハンガ
ーと言われる手法だそうです。

  続編が決定している際に、あえて宙ぶらりんの状態で終わらせて視
聴者の興味を持続させるということですね。


  ちなみに 「半沢直樹」 は映画 「マルサの女」 とそっくりです。 ホント
にそっくり。 そしてこちらもメチャクチャ面白いです。

監督の伊丹十三は「映画は娯楽。目指す方向はハリウッド映画」
というポリシーをもった監督。

  伊丹監督の映画には車がよく出てきますが、登場人物に関係する車
はミニクーパー、ロールスロイスなど個性の強いモノばかりです。 路線
バスであっても、クラシックな流線型のバスを走らせます。

  これもみな観客を楽しませるためだそうです。

  また、半沢と同じくマルサの女にも国税局査察部の職員たちがでてき
ますが、お上の職員が数十人で 「カツ カツ カツ」 と革靴の音を立てな
がら集団で歩く姿はとても爽快です。

  一般的に、小説やドラマの物語に警察やお上の役人が登場すると緊
張感が増して面白さが増すと言われています。 ドストエフスキーの小説
は、事態が警察沙汰になることがほとんどです。

ドラマの場合、事態が警察沙汰になってポリスが登場する場面は、火
事の場面と並んでそれだけで視聴率が上昇します。


  最後に、僕がもう1つ思うのは、堺雅人のブレイクは、じつは奥さんで
ある菅野美穂のちからによるところが大きいのではないかというコトです。

それでは、堺雅人のプロフィールを。

《 堺雅人のプロフィール 》

  堺 雅人(さかい まさと)は1973年生まれ、宮崎県の出身(出生は兵
庫県神戸市)。 早稲田大学第一文学部中国文学科中退。 身長172cm。
田辺エージェンシー所属。 妻は女優の菅野美穂。

  高校時代演劇部に所属、1992年に早稲田大学演劇研究会を母体
にした劇団 「東京オレンジ」 の旗揚げに参加。 同劇団の看板俳優とし
て活躍し、「早稲田のプリンス」 と呼ばれた。 現在も同劇団の名誉団員
である。

のちに早稲田大学第一文学部中退。 その後田辺エージェンシーに
所属。 現在は舞台の他、テレビや映画でも活動する。

2004年大河ドラマ 『新選組 ! 』 の新選組総長山南敬助役を演じて
一般に名前が浸透する。 05年4月にTV番組雑誌 「テレビブロス」 が
行った 「好きな男」 ナンバーワンに選ばれた。

08年4月放送の単発ドラマ 『世にも奇妙な物語 2008年春の特別
編 「フラッシュバック」』 でドラマ初主演。

同じく08年、再び大河ドラマに出演。 『篤姫』 の徳川家定役を演じた。

10年の連続ドラマ 『ジョーカー 許されざる捜査官』 で連続ドラマ単独
初主演。 その後も映画や連続ドラマの主演を務めるなどしている。

13年3月、映画 『大奥 ~ 永遠 ~ [右衛門佐・綱吉篇]』 での共演を
きっかけに交際していた女優の菅野美穂と結婚に向けて準備に入ってい
ることが所属事務所から明かされ、同年4月婚姻届を提出した。

  現在までに、多くの映画賞、ドラマ賞を受賞している。

  いつも微笑んでいるような独特の顔つきをしている。 舞台 『噂の男』
では、「喜怒哀楽を全て笑顔で表現する男」 と称された。 しかし以前は、
監督から 「ヘラヘラするな」 と叱られる事があり、本人は自身の表情に
コンプレックスを持っていた。

小日向文世にその事を話したところ、「僕も言われたよ。僕は風呂場
で手鏡を持って怖い顔の練習をしたよ」 と言われて、堺も手鏡を購入し
表情の練習を行ったという。

早稲田大学を中退したことがキッカケで親から勘当され、7年間音信
不通であった。 しかし連続テレビ小説 『オードリー』 に出演している堺を
見た両親が電話をかけてきて、彼を認めてくれたと語っている。

  俳優で食べていけるまではドーナツ屋や引っ越し屋など多数のアルバ
イトを行ったが、計算が苦手でコンビニエンスストアのアルバイトではよく
釣り銭を間違えて叱られた。 主演映画 『武士の家計簿』 ではそろばんの
達人という役柄だったので、計算が苦手の堺としては大変な役だった。

高校時代は通産省の官僚を目指していたが、数学が苦手なこともあっ
て、次第に役者を志すようになったという。



  それでは「あまちゃん」 の話に移る前に、 ブレイクタイム PARTⅡ と
してもうひとつ映画に関する話をします。

  題して 《 プロレスと映画の不思議な一致 》

  えー、 以下にその文章を書こうと思ったのですが、というか書いたの
ですが、思いのほかその文章が長くなってしまったので、別のページに
移しました。リンクを貼りますので、興味がある方はぜひ読んでください。

  ただ、アタマがこんがらがってしまうので、この文章を読み終えたあとの
方がいいかと思います。 もしよければクリックを。
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-10-18-1

  スピルバーグとルーカスの話が多く、スターウォーズ製作のときの話は
なかなか面白いと思います。



【 「あまちゃん」 について 】

  さて、アタマを切り替えて、こんどは 「あまちゃん」 の話です。

  早朝のドラマなので、僕はネットで3回ほど観てしまいました。 今でも
時々BGVとして流したりしています。


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  単純な感想として、すごく面白かったです。 僕は半沢直樹よりもあま
ちゃんの方がちょっと好きです。

  まず、なんといっても能年怜奈がカワイすぎるというのがあります。
とくに後半、東北弁を上手にしゃべってたところもよかったと思います。

能年怜奈の画像集&いいとも出演時の模様と紅白出場については
こちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-10-07-3

 それから、僕は80年代を知っている世代の人間なので、もっと下の
世代の人たちよりも数倍楽しめたのだと思います。

  当時を知っている人にとっては笑えるセリフというのがほんとうに多か
ったので、それをすべて理解できるというのは大きいのかなと思います。

そもそも、アイドル時代のキョンキョンを知っている人たちにとっては、
彼女がNHKの連続テレビ小説で母親役をやること自体感慨深いところ
があります。

気がつけばキョンキョンももう47歳だということで、衣装のせいかもし
れませんが、あまちゃんのキョンキョンはやけに昔よりも脂がのったよう
に見えましたし。

また、小泉今日子と薬師丸ひろ子が並んで座ったり掛け合いをしたり
するというのがちょっとヘンな感じというか、とても新鮮です。


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  当時を知らない人は、この2人をほぼ同じような存在だと思われるかも
しれませんが、じつは全くちがいます。

小泉今日子は、「スター誕生」 という番組出身の、昭和の伝統的なカタ
チのアイドルの最後の世代。 自ら 『なんてったてアイドル』 という歌を歌っ
てしまうほどの 「アイドルの中のアイドル」 というべき存在。

  それに対して、薬師丸ひろ子はアイドルではありません。

  角川映画という会社がありますが、80年代の角川映画は新進気鋭の
映画会社で、会社の存在そのものと、その新しい感覚を世間にすごくアピ
ールしている会社でした。

  その角川映画が、厳選なオーディションによって選び、所属女優第1号
として力をこめて売り出していたのが薬師丸ひろ子です。 よってデビュー
は映画で、その後ずっと映画にしか出演しませんでした。

  デビュー作は「野生の証明」 という高倉健さんが主演の映画で、その娘
であるヒロイン役でした。


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  「人間の証明」につづく森村誠一の小説が原作で、内容は、以前東北
の寒村でおこった大量虐殺事件の生き残りである少女と、訓練中に偶然
その現場に遭遇してしまった自衛隊員のシリアスな物語。

  この映画のテレビCMでは「お父さん、怖いよ。 何か来るよ。 大勢でお
父さんを殺しにくるよ ・・・・」 というセリフが流れ、ラストのシーンでは、健
さんが薬師丸ひろ子を背負って戦車の群れに立ち向かっていくというモノ。

その後の 『セーラー服と機関銃』 のCMではセーラー服を着た薬師丸
ひろ子が機関銃を乱射して 「カ・イ・カ・ン」 とつぶやいて恍惚の表情を見
せる場面が話題になりました。


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  このシーンで薬師丸の顔から血が流れているのですが、それはほんと
うに破片が跳ね返って傷を負ったことによるものであるのは有名な話です。

  角川はデビュー以来薬師丸の映画以外での露出をおさえ、映画でしか
観るコトができない映画女優、出回る画像なども普通っぽく笑っているよう
なものは一切なく、神秘的な少女という面を強調していました。

  ミニスカートで 「なんてったってアイドル」 を歌い、いつもニコニコしてい
るテレビに申し子キョンキョンとは対極に位置する存在だったのです。


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あまちゃんの中の鈴鹿ひろ美はデビュー当時歌番組の出演を抑えて
いたという設定になっていますが、これも薬師丸ひろ子の現実面に基づ
いたものです。

  薬師丸は85年に角川から独立するのですが、角川当時は映画の主
題歌がどんなにヒットしてもテレビに出演するのは映画の宣伝のため公
開前の1週間だけ。

  ドラマの中で鈴鹿ひろ美がベストテンの出演を断った際に清水ミチコ
演じる黒柳徹子が鈴鹿の手紙を読みましたが、そこに書かれていた内容、

「私の本業は女優であり、役を演じることではじめて皆さんと関われる。
歌番組に出演するのは私のポリシーにも反します ~ 」 というのは、当時
の薬師丸の気持ちそのまんまだと思います。

(※) 潮騒のメモリーと80年代アイドルについてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-05-21-2

  kaho のデビューと、母である河合奈保子のアイドル時代とそのライバ
ル聖子・明菜キョンキョンなどの80年代アイドルについてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-09-28-1

 きゃりーぱみゅぱみゅ論の前半部分にも聖子やピンクレディーの話が
でてきます。
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-08-02-5

  薬師丸が出した自身の映画の主題歌は例外なくみんなヒットしましたが、
中でも「セーラー服と機関銃」 は大ヒットし、紅白にも選ばれました。

しかし彼女は当時学業による休業中であり、それならば普通は出演キ
ャンセルとなってほかの曲が選ばれると思うのですが、「セーラー服と機関
銃」 は落選することなくそのままエントリーされ、本番ではなんと桜田淳子
が代わりに「セーラー服と機関銃」 を歌うという異例の措置がとられています。

 ちなみに、薬師丸ひろ子がテレビのドラマに出演するようになるのは97年
の 「ミセスシンデレラ」 からです。

のっけから薬師丸ひろ子のことをたくさん書いてしまいましたが、岩手編
の頃からあまちゃんブームはおこっていましたが、その人気を不動のものに
したのは薬師丸ひろ子だったと思います。

そのくらいにあまちゃんの薬師丸ひろ子はよかった ! ですよね?


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小泉とのからみでは明らかに薬師丸の方が演技が何枚も上手で、本業
の凄みを見せつけていたと思います。

  しかし、あまちゃんの視聴率が最初からよかったのは小泉今日子の出演
が注目されたからであるし、2人並んだときの存在感のオーラでいえば小泉
の方がやや勝っていたような。

  あまちゃんの大ブレイクによって、あらためて 「小泉今日子っていうのは
やっぱりこんなに存在感が大きかったんだなぁ」 という感想を持ちました。


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  また、宮本信子もよかったと思います。 97年に伊丹さんのことがあって
以降は映画館に入るのも怖くなったということですが、僕はあれは明らかに
殺されたと思っていますので、それを思うとそういう気持ちも納得できます。

 07年に、10年ぶりに映画出演を果たしたそうです。 今回輝くことができ
てホントによかった。

  ひとつツッコんでおくと、海女のベテランなのにアップになると顔が美しす
ぎるというのがあったと思います。


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杉本哲太ももちろんよかったし、橋本愛もよかった、有村架純もカワイかっ
たし古田新太(太巻)もよかった。 橋本愛は声量があるなぁ~と思いました。
福士蒼汰もかっこよかったですね。


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(※) 橋本愛と落合モトキのフライデースキャンダルはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11

 橋本愛と綾乃剛の週刊誌スキャンダルはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-08-10-2

 橋本愛、CM会見で終始不機嫌な態度をとり続ける はこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-07-10-2

  有村架純と岡本圭人のスキャンダルについてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-08-02-4


《 古田新太のプロフィール 》

  古田新太(ふるた あらた)は、1965年生まれ、兵庫県神戸市の出身。
日本の俳優、声優、DJ。 本名、古田 岳史(ふるた たけふみ)。 愛称は
古ちん。 妻は元タレントの西端弥生。 一女あり。

84年、大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科ミュージカルコース入学。
後に除籍処分を受ける。

卒業後 「太陽族」 という劇団に所属していたが、大学の先輩である渡辺
いっけいに誘われて 「劇団☆新感線」 に移籍。

90年代にはビートたけしの後継として 『オールナイトニッポン』 木曜1部
を担当した。 容赦ない下ネタと自身の大好きなハードロックをかけまくるプロ
グラムで大きな支持を得た。 特に下ネタの過激さは相当なもので、『オール
ナイトニッポン』 放送開始から終了までにスタッフが始末書を書かなかった
週は2回しかなかったとも言われる。キャッチフレーズは 「世界で一番偏差
値が低いラジオ番組」 であった。

その経歴の中で多くの舞台、ドラマ、映画に出演している。


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そして、水口の人気がハンパなかったようです。 ネットではミズタクにつ
いてのコメントが激増していき、とく女性の人気はすごく、「萌え死に急増中」
と言い方がなされていました。。


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  特に水口が北三陸までアキを迎えに行く第93話は「伝説の回」 とされ,
その日のツイッターには前日の2倍以上のツイートが寄せられたそうです。

  じつをいうと、僕は最初水口のキャラが嫌いだったのですが、後半イイ奴
になっていってよかったと思います。

  最初水口が嫌いだったのは、松田竜平とか人物としての水口うんぬんで
はなくて、あのポジションは他のキャラの方がもっと面白くなると思ったから
です。

  例えば、あのポジションに黒川のキャラを当てはめたりすると、黒川の
心配性と感激屋という性格とうっとおしいしゃべり方がアキとは対照的で、
芸能界で活動する中での2人のからみがもっと面白いのではないかとか、
そういうことを考えてしまいました。


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  何かがあるとすぐに議論ぶったりスグ泣いたりして、「なんでないでるん
だ?」 とアキに突っ込まれたり。

  まあ、そうすると黒川のポジションはどうするのかというコトもありますし、
これだけ支持されているところをみると、僕の感覚は少数派のようです。

  脇役の人たちはみんなよかったと思います。 主人公が新人でキョンキョ
ンも女優ではないので、脇役を固めるのは鉄則なのでしょう。

   
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  さて、こんどはストーリー的なことについての話です。

  あまちゃんは、1クールドラマなどと比べるととっても長い話だったワケで
すが、全体的に言って退屈する部分が少なくて最初から最後までずーっと
面白かったという印象があります。

  これはやはり 「15分ドラマ」 であるというのが大きな理由になっていると
思います。

  やはりドラマというのは毎回かならず面白くなければならないわけですが、
たとえば1時間のドラマであれば、中盤の25分から40分あたりにかけては
地味なシーンがつづく、というようなコトもありうるでしょう。 そのほかの場面
が面白ければイイわけです。

  一方、毎回面白くなければならないというのは15分ドラマであっても同じ
です。 そうすると、僕のようにネットで通して観た場合、1時間に4回以上は
面白い展開になるワケで、結果として、観ていてずーっと面白かったという
印象になるわけです。

  しかし、半沢直樹の部分でも僕は同じようなコトを言いました。 「ストーリ

ーの展開が早く、その1時間を話に引き込まれて観ることができる ・・・・・ 」

 結局、 昔と比べ、いまの視聴者は退屈な場面に耐えられないということ
なのでしょう。

  思えば、30年ほど前の名作 「ふぞろいの林檎たち」 には、退屈な場面
がもっともっと多かった。

  さらに言えば、「小津安二郎の『東京物語』 は今の視聴者には3分も耐
えられない」 たとえそれが 「『世界の歴代名作映画100本』 のうちに含ま
れるほどの金字塔的名作であっても」

 ・・・・・ というコトになるのかもしれません。 このへんのコトについては、
スピルバーグの映画についての話の中でも触れました。


ストーリーの展開について、半沢直樹の場合、太い一本線が通っていて、
それ以外の部分は極力カットしていると言いました。

  それに対してあまちゃんの方は、主要な人物の物語が並行して少しず
つ語られていきます。 そしてそれらがお互いに絡み合っている。

  しかも過去と現在の物語が影響を与えあって変化していきます。

  現在が過去に影響を与えるというのは(その逆は当然として)、例えば春
子が北鉄に乗って東京に向かった日、じつは夏は海辺で旗を振って春子を
笑顔で送り出していたということがドラマ後半になってはじめて分かります。
それによって過去の意味合いが変わるということです。

  視覚的に言うと、半沢のストーリーが太い一本線なら、あまちゃんは「あ
みだくじ」 という感じ。 遠く離れた2つのラインが、じつは入り組んでつなが
っていたりする。 という印象です。


演出的には、特筆するような個性はないと思いますが、要所々々であそ
びの部分が多いと思います。

  それはたとえば突然画面(視聴者)に向かってセリフを言ったり、 また、
ウニの 「本気獲り」 の第24回には、終始画面の動きをナレーションで説明
したり、「仕事の流儀」 風の場面があったり。

  パロディ が多いドラマなので、あそびが多いのは当然といえば当然です。


  エピソードとして、第76話で、登場人物である甲斐マスターが、おニャン
子クラブ 「セーラー服を脱がさないで」 が流れた際に 「歌だって(会員番号)
4番より春ちゃんのほうが上手い」 と話す場面が登場します。

  これについて4番の新田恵利本人が、自身のブログで、そのセリフにショ
ックを受けるとともに、それを宮藤の見解と解釈し、落胆の気持ちを明かすと
いう出来事がありました。  

 その様子についてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-06-28-2

 あまちゃんに出演する八木亜希子の評判についてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-07-24-7


《 あまちゃんが現地にもたらした経済効果について 》

岩手県経済への波及効果故郷編のロケ地となった岩手県久慈市の観光
施設には、放送開始後から多くの観光客が訪れており、初の大型連休とな
ったゴールデンウィーク期間中は、前年比で約2倍となる約11万人が訪れ
ました。

  やがて素潜り漁シーズンの7~8月になると、小袖海岸には前年比で約
23倍(! ) となる、約7万5千人の観光客が訪れてたといいます。

また、北三陸鉄道リアス線のモデルとなった三陸鉄道北リアス線は、久慈
駅~田野畑駅間の7~9月における総乗降者数が前年の5割増となりました。

  ドラマに出てきたように、6月1日より久慈駅~田野畑駅間で企画列車 「お
座敷列車北三陸号」 の運行を土日に行なるようになり、当初は9月23日ま
での予定が、連日満席の人気を受けて10月14日まで延長されるほどの盛
況になったようです。

地元シンクタンクの試算・推計によれば、あまちゃんの岩手県経済への波
及効果は32億8400万円に上り、誘発される就業者数は456人になったと
いいます。

  これは、前年に盛岡市で開催された東北六魂祭の経済効果22億700万
円を凌ぐものであったそうです。

岩手での 「あまちゃん効果」 と、放送終了を迎えて現地の人々が
深刻な 「あまロス」 にかかってしまっている様子についてはこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01

 東北六魂祭とブルーインパルス はこちら
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-06-01-3


  あまちゃんはドラマの中に過去のドラマや映画へのオマージュがふんだ
んに取り入れられていて、そこがよかったと言われています。

あまちゃんというドラマそのものが80年代へのオマージュと言っていい
かもしれません。

  オマージュと言うのは、オリジナルへの敬意や賛辞を理由として作られた
もので、ニュアンスとしては「リスペクト」 に近いと思います。 よって 「パクリ」
とはちがいます。

  オマージュとパクリを合わせた言い方がパロディ。 パロディには風刺のた
めのモノ、尊敬によるモノの両方が含まれます。

  一般に、パロディがでてくるようになると、そのジャンルは衰退に向かって
いると言われています。 過去に無数のドラマが作られましたが、今となって
はもう新しいオリジナリティを生み出すのは難しいのでしょうか?

思えば、キョンキョンが歌った 『なんてったってアイドル』 もアイドルのパロ
ディソングです。 これは、アイドル自らが昭和型のアイドルの時代が終焉に
向かっていることを宣言していたとも言えるでしょう。

80年代からテレビを見てきた人間として言うと、テレビ番組はドラマもバラ
エティも80年代以降完全に進化が止まっています。 制作費が大幅に減った
分、退化していると言ってもいいでしょう。

  とくにバラエティはひどく、「芸能人漢字書き順選手権」 にはひっくり返って
しまいました。 こういうものを作ってよく恥ずかしくないなぁ と思います。


  震災の描き方ですが、メディアでは、実際の映像を使わずに表現したとこ
ろが非常によかったと言われています。 それもあって、ずいぶん緩和された
表現になっていたと思います。


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  現地での揺れのシーンを電車内に限定したのも、悲惨な印象になるのを
避けるためなのでしょう。 家の中であれば、家具が全部倒れて人を下敷き
にしたり、出火したりという場面を描かなければなりません。

ほんとうは、復興が遅れているとか、東北だから扱いがひくい、西日本だ
ったらもっと復興に力を入れるだろうというメッセージが入っていてもよかった
のかな? とも思います。

  もちろんそういうメッセージはNHKが許さないのでしょうが。

  トンネルの出口で、大吉のセリフによって惨状を表現したのはすごくよか
ったですね。


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  最後に、終盤のストーリーとラストシーンについて。

  世間的には「ラストのトンネルのシーンもすごくよかった」 という意見が多
いようです。

  一説には、北野武の「キッズリターン」 のラストシーンへのオマージュなの
では? とも言われています。

  また、その先をいかようにも解釈できる終わり方なので、続編への含みな
のでは? という声もあります。

  たしかに続編は見てみたいですが、でも、作らない方がいいような気がし
ます。 あまちゃんは全体としてストーリーが完成していると思いますし、続編
を作る気持ちがあるなら、逆にああいうラストシーンにはならなかったのでは
ないでしょうか。

  ただ、続編が今回のあまちゃんよりも確実に面白いのであればぜひ作って
欲しいです。 しかし、普通に考えてそれはまず不可能のような気がするので。


  僕の感想としては、ラストシーンはあれはあれでよかったと思いますが、最
後の2人のシーンが3分弱しかなかったので、もう少し長くしてほしかったとい
うのがあります。

  気持ちが 「ラストシーンに浸りきるモード」 になる前に終わってしまったとい
う感じです。 絵的にはきれいだったと思います。  


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  じつは、 僕としては以下のような終わり方にしてほしかった、というのが
ありました。 完全に素人考えですが。

  まず、アキが最終的に地元に帰ってユイとともに地元のアイドルとして
生きていくという展開はいいと思います。

  ただ、しばらく2人で活動したあと、ユイの方は最終的に東京に出て行く
というコトにしてほしかった。

  なんといっても北三陸に最大の貢献をしたユイ、終始運命に恵まれなか
ったユイなので。 

  あまちゃんは、全体としては明るいドラマだと思いますし、最終的に登場
人物はみんなそれぞれにハッピーになったのだと思います。

  そんな中で、なぜかユイだけが 終始恵まれない運命にさいなまれていま
した。 しかもそれは自業自得からくるものではなくて不条理なものばかり。

しかし最後に、それまで何度試みても行くことができなかった東京につい
に行くことができたとなれば、一旦は完全に壊れてしまうところまで落ち込ん
でしまったコトにも意味が出てきます。

  そして最終回は、北鉄の開通式を 「北鉄の再開通&足立ユイを今度こそ
東京へ送り出すための記念式典」 ということにして、みんなで盛大にユイを
送り出す場面をラストシーンにしてほしかった。

  そうすると全てがハッピーエンドになって、ラストシーンも思いっきり感動で
きたような気がします。

  終わったあとにも、「これからいよいよユイもがんばっていくんだなぁ~」 と
いう余韻に浸れたように思います。

  そうすれば、たとえば2時間スペシャルの続編などにもつなげることができ
たような。

ただ、最後にユイが東京に行くということにすると、ドラマ全体のニュアン
スが変わってしまうと思うので、これは好みですね。


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  ちなみに足立家の人々はみんな不幸です。 父親は成功者ですが、倒れ
て身体がマヒ、そしてリハビリとなりました。 今後再発の恐れもあります。

  東京で、太巻きと鈴鹿がくしくも同じセリフを言っていました。

  「結局みんな運なんだよ運 ! 」 (マメりんについて)
  「結局みんな運なのよねぇ~」 (春子について)

  これはまさに真実を喝破している ! !  と僕は思います。 ・・・・ なんて。

というコトは、アキとユイのコンビにおいて運命の明暗がくっきりと表現さ
れているのかもしれません。

  もしそうだとすると、トンネルでの終わり方でもよかったのかな、と思いま
すが、でもやっぱり、ああいうフェードアウトのようなラストではなくて、もっと
クッキリと終わらせてほしかった、というのが僕の感想です。


  ・・・・・・ さて、楽しかったあまちゃんもついに終了してしまいましたが、終
わったあともなかなか頭から離れないドラマです。

  あとは、大晦日の紅白を楽しみに待ちましょう。


  以下、北三陸の人たちと、心臓が飛び出るほどカワイイ有村架純の写真
です。

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