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W浅野 『抱きしめたい ! 』 あらすじ  【 日本ドラマ30年史 vol.5 】 [テレビドラマ]

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 新しい時代の特徴 ③ に関連して、昔のアイドルと違って今のアイ
ドルはぶっちゃけているという例をだしたが、これは一般人について
もあてはまると思う。

「ぶっちゃけてる」 というのは正直であるということもできると思うが、
例えばインタビューなどを受けた場合などでも、今の人は比較的なん
でも正直に本音を話すというところがある。

 じつは、正直になるというのは人と人が深く分かり合ったりコミュニケ
ーションするためにはぜひとも必要なことであって、そういう意味では
昔よりも今の人の方がコミュニケーションが上手になったと言えるのか
もしれない。

 思うに、戦後の日本人はまるで1人の人間が年齢と共に成長してい
くように、日本人全体が年月と共に精神的に成長してきたようなところ
がある。

 戦後しばらくは、貧しくて日々暮らしていくのがやっとやっとであり、そ
れゆえ行動力も小さい。 そして、この頃が1人の人間でいうと子供時代
にあたる。

 やがて昭和30年代になると日米安保闘争や労働争議が起こるよう
になり、それらは40年代以降になると左翼活動、学生運動へと発展し
ていく。

 これらの人々は、たくさん勉強して、理想を追求して激しく行動してい
たワケだ。 この時期が、1人の人間の成長でいうと青春時代にあたる
だろう。

 その後これらの運動は敗北し、やがて政治への関心は薄れ、日本は
ただひたすら経済成長へとまい進して行く。 そしてこれが1人の人間で
言うと、就職して社会人となり仕事に熱中する頃にあたる。

 日本は見事に経済成長を遂げて豊かになり、相当な金持ちにもなっ
た。 しかし85年以降、バブルが崩壊することで苦境に陥っていくことに
なる。

 これを1人の人間でいうと、社会人になって以来ずっと仕事が順調で
お金もたくさん稼ぐことができた。 だが、その後大きな失敗をしてしまう
ことで苦境に立たされ、生活も苦しくなっていく。

 人生半ばで大きな挫折を経験し苦しい状況になってしまったが、それ
でも生きていかなければならない。

 現在の日本人が置かれている状況は、およそこんな感じだと思う。


 さて、③ に関連してもうひとつ。 いまの時代は昔と違って、世の中の
さまざまなジャンルの仕組みが人々に明らかになってしまっている。

 お笑いの仕組み、アイドルの仕組み、政治の仕組み、プロレスの仕
組み。

  上にも少し書いたが、たとえばお笑いにしても、いまの人はお笑いの
仕組みをわかった上で楽しんでいる。 アイドルにしても同じで、アイドル
というのがどういう仕組みで成り立っているのかをわかった上で楽しん
でいる。

 これは、いまの人の方が昔の人よりも大人だということでもある。


 それでは、新しい時代の特徴 ①.世の中が記号的、イメージ的にな
ってきたというコトについて。

 まず、企業というものは、以前は “商品” を売っていたが、80年代頃
からは商品ではなくて “イメージ” を売るようになってきた。

 例えば80年代前半の住友金属のテレビCMに当時新しいタイプのア
イドル(=バラドル)として認知され始めていた山瀬まみが起用され、

「やわらかアタマしてます。 住友金属」

というCMが流行ったことがある。 すごく堅いイメージの会社のCMに、
その対極のイメージをもった山瀬が起用されたワケだが、山瀬自身もこ
のCMによってさらに人気が上がった。

 そして当時、同じように商品ではなくて企業そのもののイメージをアピ
ールするCMが多く作られた。

 有名なものとして、西武百貨店の 「不思議、大好き。」 というのがあっ
た。 これは糸井重里氏のコピーだ。

 今となってはなんてことないコピーにしか思えないが、当時としては「不
思議」 と 「大好き」 というコトバの組み合わせが斬新だとして話題になっ
たコピーだ。

  このコピーに関する文章が、当時の早稲田大学の国語の入試問題に
も出題された。


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 また、コカコーラ社やポカリスウェットなどの歴代のCMはイメージ的だ
し、トヨタの 「eco」 なんかもそうだと思う。


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 CM以外でも、たとえばレースクイーンだとか企業のロゴマークなどは
イメージ的だし、ライフスタイル、セレブというコトバも記号的だ。
 

 次に、新しい時代の特徴 ②.世の中の個人化、細分化について。

 むかしは、国民すべてが同じものに関心をもつということがありえた。
たとえば、巨人の長嶋茂雄選手は全国民のヒーロー、スーパースター
であった。


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  山口百恵やピンクレディーの歌は、国民すべてが口ずさむことがで
きた。 時代的に、松田聖子あたりまではそういう感じがあった。

 しかし、今はもちろん違う。 スマップの 「世界にひとつだけの花」 で
さえ、高齢の人は口ずさむことはできないだろう。

 しかしこれは、人々の傾向が変わったというよりも、世の中自体が昔
よりも飛躍的に複雑、多様になったことの必然的な結果なのだと思う。

 また、世の中が細分化されて多様になったと言う場合、一方では、
全体の量や大きさは変わらずにその分け方が細かくなったという面と、
もう一方では、そもそも世の中に存在するモノゴト自体の絶対量が増
えたコトによる両面があるのだと思われる。

  これは選択肢の数が増えたということでもあって、以前は、人々の好
みの種類の数よりも、実際に存在するモノの種類の数の方が少なかっ
たが、今の時代においては、人々の好みの数の数10倍の選択肢があ
るという感じがする。

  以前は、人々の好みが5種類に分かれているのに対して、現実の選
択肢は3つしかなく、どれか1つを選ばなくてはならないという感じであっ
たところ、それが現在では、人々の5種類の好みに対して選択肢のほう
は20も30もあって、どれか1つに決めきれないという感じがあると思う。

 それは例えば、現在のスマホのカスタマイズなどではほとんど無限の
選択肢があるということ、

  また、リーバイスのジーンズでいうと、カタチは 501、505、525、色は
ブルーか濃紺、というくらいの選択肢しかなかった。

  それに対して現在では、カタチ、色の落ち方、ステッチ、ポケットの形、
生地などの種類の組み合わせによって、ほとんど無数の種類がある。

これならば他人とかぶることはほとんどないだろう。 これは、オンリー
ワンという発想と通じるものがある。 

  今をときめくAKB48についてもそうで、昔ならば48人というのはちょ
っと考えられない数だ。


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 ・・・・・・ さて、そろそろフジテレビの話に戻りましょう。


 vol.6 につづきます
http://perfect-news.blog.so-net.ne.jp/2013-10-04-2




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