2013年9月2日 埼玉県越谷で発生した竜巻 & 竜巻についてのいろんな解説 ! [気象]
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9月2日に埼玉で発生した竜巻の詳細とニュース動画、①.竜巻とは?
②.発生のメカニズム ③.日本国内で発生する竜巻について など充実
の内容 ! 竜巻解説の決定版です。
9月2日午後2時頃、埼玉県越谷市で竜巻とみられる突風が発生し、松
伏(まつぶし)町を経由して千葉県野田市まで移動した。
埼玉県では、越谷市を中心に64人が負傷、うち2人が頭の骨を折る重
傷を負った。 また、およそ387棟の建物に被害が出ていること分かり、越
谷市内では6棟が全壊、83棟が半壊したことが確認された。
また、県内の2万7千軒が停電し、多くの避難所が設置された。 この日
埼玉県は、越谷市と松伏町に対し被災者の救助などにかかった経費を公
費で負担する災害救助法の適用を決めた。
県内の小学校では教室の窓約20枚が割れ、サッカーゴールが吹き飛ば
されるなどして児童3人が軽傷を負った。
中学校では体育館の屋根の3分の1が損壊し、中にいたバレーボール部
とバドミントン部の生徒8人が割れたガラスで頭を切るなどの軽傷を負い、
東に隣接する松伏町でもトラックが横転するなどの被害が出た。
鉄道のダイヤも大幅に乱れ、数本が運休、遅れが相次いだ。
一方、千葉県でも141棟の建物に被害が発生、車両が59台横転したこ
とも分かった。 また、野田市では8500軒が停電した。
気象庁によれば、午後2時頃、埼玉県上空で南からの湿った暖気と北か
らの冷気が衝突、積乱雲が急速に発達した模様で、「現時点で映像などの
データを見る限り、竜巻とみられる」 との見解が示された。
気象庁の言う 「映像などのデータ」 とは、竜巻の原因とされる 「スーパー
セル」 と呼ばれる回転して渦を巻く積乱雲が気象庁のレーダーで確認され
たということで、現地に調査団を派遣し、詳しく調べています。
【 竜巻とは? 】
竜巻とは、積乱雲の下で、地上から上空の雲へと細長く延びる、高速な
渦巻き状の上昇気流のことである。 突風の一種で、規模が小さく寿命が短
いに、猛烈な風を伴うのが特徴。
気象庁の定義は 「激しい空気の渦巻で、大きな積乱雲の底から漏斗状に
雲が垂れ下がり、陸上では巻き上がる砂塵、海上では水柱を伴う」 とされる。
竜巻の水平規模は平均で直径数十m、大規模なものでは直径数百mか
ら1km以上に及ぶ。
その中心部では猛烈な風が吹き、ときには鉄筋コンクリートや鉄骨の建物
をも一瞬で崩壊させ、大型自動車なども空中に巻き上げてしまうことがある。
1ヶ所に停滞するものもあるが、多くは積乱雲と共に移動する。 その移動
速度は様々で、まれに時速100kmを超えることもある。
竜巻は、台風や温帯低気圧に比べてはるかに局地的であるため、気象観
測施設上を通過することが希で、中心の気圧を実測した例はほとんどない。
【 発生のメカニズム 】
竜巻の発生過程に関する研究は着実に解明が進んでいるものの、未解
明の部分も多く残されている。
強い竜巻は多くの場合、「スーパーセル(または親雲)」 と呼ばれる発達し
た積乱雲や積雲に伴って生じることが分かっている。 しかし、スーパーセル
を伴わない竜巻の発生事例も少数ながら報告されている。
スーパーセルの中心部や周辺部には、上昇気流の領域と下降気流の領域
があって、下降気流の領域では集中豪雨が降っている。
このような環境の下では、重く冷たい下降気流の部分に比べて、軽く暖か
い上昇気流の部分の気圧が低くなり、上昇気流の部分を中心として、低気圧
と同じ方向に気流が渦を巻いて回転し始める。すると 「メソサイクロン」 と呼
ばれる小規模の低気圧ができる。
メソサイクロンの中で気流と気流が衝突すると、「ガストフロント」 と呼ばれ
る寒冷前線に類似した気流の衝突面が形成される。
この部分で小規模で短命な気流の渦が多数現れては消えることをくり返す。
このような多数の渦のうち、ごく少数の渦が発達して上昇気流と結びつくこと
で竜巻に成長するのではないかと考えられている。
【 国内の状況 (日本で竜巻は増えているのか) 】
国内で確認された竜巻の発生数は、近年では平均して1年で約20個。
気象庁が公表している、年別の竜巻発生数を見ると、近年増えているように
も見える。 これをもとに 「竜巻は増えてきている」 と報道されることもあるが、
じつは近年の竜巻発生数の増加は、一般の方の目撃情報など情報源が増え
たことによる。
これまで観測収集方法が何度か変わっているため、国内の長期的な竜巻
の増減を客観的に判断するのは難しいものがある。
仮に今と同じ条件で今後観測が続けられたとしても、竜巻が増えているかど
うかを判断できるのは、あと数十年はかかると見られている。
今回観測された竜巻は今年9個目のもの。 統計的に考えると、年内にあと
10個ほどの竜巻が日本のどこかで起こるはずだ。
季節的には秋が発生のピークで、台風の接近や前線・寒気の南下などがし
ばしば原因となる。
・・・・・・ 結局、事前の予測がムズカしい以上、雷雲が近づいた時には 「竜
巻などの突風がいつ起こってもおかしくない」 と考えておいた方がイイだろう。
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9月2日に埼玉で発生した竜巻の詳細とニュース動画、①.竜巻とは?
②.発生のメカニズム ③.日本国内で発生する竜巻について など充実
の内容 ! 竜巻解説の決定版です。
9月2日午後2時頃、埼玉県越谷市で竜巻とみられる突風が発生し、松
伏(まつぶし)町を経由して千葉県野田市まで移動した。
埼玉県では、越谷市を中心に64人が負傷、うち2人が頭の骨を折る重
傷を負った。 また、およそ387棟の建物に被害が出ていること分かり、越
谷市内では6棟が全壊、83棟が半壊したことが確認された。
また、県内の2万7千軒が停電し、多くの避難所が設置された。 この日
埼玉県は、越谷市と松伏町に対し被災者の救助などにかかった経費を公
費で負担する災害救助法の適用を決めた。
県内の小学校では教室の窓約20枚が割れ、サッカーゴールが吹き飛ば
されるなどして児童3人が軽傷を負った。
中学校では体育館の屋根の3分の1が損壊し、中にいたバレーボール部
とバドミントン部の生徒8人が割れたガラスで頭を切るなどの軽傷を負い、
東に隣接する松伏町でもトラックが横転するなどの被害が出た。
鉄道のダイヤも大幅に乱れ、数本が運休、遅れが相次いだ。
一方、千葉県でも141棟の建物に被害が発生、車両が59台横転したこ
とも分かった。 また、野田市では8500軒が停電した。
気象庁によれば、午後2時頃、埼玉県上空で南からの湿った暖気と北か
らの冷気が衝突、積乱雲が急速に発達した模様で、「現時点で映像などの
データを見る限り、竜巻とみられる」 との見解が示された。
気象庁の言う 「映像などのデータ」 とは、竜巻の原因とされる 「スーパー
セル」 と呼ばれる回転して渦を巻く積乱雲が気象庁のレーダーで確認され
たということで、現地に調査団を派遣し、詳しく調べています。
【 竜巻とは? 】
竜巻とは、積乱雲の下で、地上から上空の雲へと細長く延びる、高速な
渦巻き状の上昇気流のことである。 突風の一種で、規模が小さく寿命が短
いに、猛烈な風を伴うのが特徴。
気象庁の定義は 「激しい空気の渦巻で、大きな積乱雲の底から漏斗状に
雲が垂れ下がり、陸上では巻き上がる砂塵、海上では水柱を伴う」 とされる。
竜巻の水平規模は平均で直径数十m、大規模なものでは直径数百mか
ら1km以上に及ぶ。
その中心部では猛烈な風が吹き、ときには鉄筋コンクリートや鉄骨の建物
をも一瞬で崩壊させ、大型自動車なども空中に巻き上げてしまうことがある。
1ヶ所に停滞するものもあるが、多くは積乱雲と共に移動する。 その移動
速度は様々で、まれに時速100kmを超えることもある。
竜巻は、台風や温帯低気圧に比べてはるかに局地的であるため、気象観
測施設上を通過することが希で、中心の気圧を実測した例はほとんどない。
【 発生のメカニズム 】
竜巻の発生過程に関する研究は着実に解明が進んでいるものの、未解
明の部分も多く残されている。
強い竜巻は多くの場合、「スーパーセル(または親雲)」 と呼ばれる発達し
た積乱雲や積雲に伴って生じることが分かっている。 しかし、スーパーセル
を伴わない竜巻の発生事例も少数ながら報告されている。
スーパーセルの中心部や周辺部には、上昇気流の領域と下降気流の領域
があって、下降気流の領域では集中豪雨が降っている。
このような環境の下では、重く冷たい下降気流の部分に比べて、軽く暖か
い上昇気流の部分の気圧が低くなり、上昇気流の部分を中心として、低気圧
と同じ方向に気流が渦を巻いて回転し始める。すると 「メソサイクロン」 と呼
ばれる小規模の低気圧ができる。
メソサイクロンの中で気流と気流が衝突すると、「ガストフロント」 と呼ばれ
る寒冷前線に類似した気流の衝突面が形成される。
この部分で小規模で短命な気流の渦が多数現れては消えることをくり返す。
このような多数の渦のうち、ごく少数の渦が発達して上昇気流と結びつくこと
で竜巻に成長するのではないかと考えられている。
【 国内の状況 (日本で竜巻は増えているのか) 】
国内で確認された竜巻の発生数は、近年では平均して1年で約20個。
気象庁が公表している、年別の竜巻発生数を見ると、近年増えているように
も見える。 これをもとに 「竜巻は増えてきている」 と報道されることもあるが、
じつは近年の竜巻発生数の増加は、一般の方の目撃情報など情報源が増え
たことによる。
これまで観測収集方法が何度か変わっているため、国内の長期的な竜巻
の増減を客観的に判断するのは難しいものがある。
仮に今と同じ条件で今後観測が続けられたとしても、竜巻が増えているかど
うかを判断できるのは、あと数十年はかかると見られている。
今回観測された竜巻は今年9個目のもの。 統計的に考えると、年内にあと
10個ほどの竜巻が日本のどこかで起こるはずだ。
季節的には秋が発生のピークで、台風の接近や前線・寒気の南下などがし
ばしば原因となる。
・・・・・・ 結局、事前の予測がムズカしい以上、雷雲が近づいた時には 「竜
巻などの突風がいつ起こってもおかしくない」 と考えておいた方がイイだろう。
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