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大島まり くも膜下出血 夢の扉 【増補改定版】 1度読んだ人ももう1回読んでみて ! ! [サイエンス]

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 6月2日のTBSの番組「夢の扉 プラス」 で取り上げられた東京大学
教授で情報学環、生産技術研究所研究員の大島まりさんが話題になっ
ている。

 肩書きからは何を研究している人なのかさっぱり分からないが、具体
的には、「くも膜下出血」 を防ぐために脳の血管内の血液の流れをコン
ピューターでシミュレーションするという研究に取り組んでおられるそうだ。

 くも膜下出血は、脳内にできた血管のコブ・動脈瘤が破裂しくも膜の内
側で出血する疾患で、年に1万3千人以上の命を奪っているという。

 原因となる脳動脈瘤は40歳以上の日本人100人中6人の脳内にある
とされる。 この脳動脈瘤が破裂する可能性を可視化しようと、流体工学
を応用し解析することで、脳内の細かい血管内の血液の流れを画像化す
ることに成功したのだという。

 今回の解析には流体工学が応用されたというのですが、そもそもその
流体工学とはどういうものなのでしょうか?

 では、たまたま知っている乏しい知識で、素人なりに流体工学の基本の
部分を説明させていただきます。

 その昔、産業革命からしばらくたった頃、製鉄の技術が開発されて製鉄
炉で鉄が生成されることとなった。 その際に、どういう炉を造ればいちばん
効率よく鉄を生成することができるのかというのが模索された。

 炉はどういうカタチがいいのか? 大きさはどうか? どのように火を当て
るのがいちばんいいのか?

 これはまた、巨大工場に縦横無尽に張り巡らされたパイプなどにも同じこ
とがいえる。 パイプで水を流す際に、パイプの太さやカーブの角度などをど
のようにするのがいちばん効率がイイのか? 特に、パイプが90°曲がって
いるときに、その角の部分を水流がどう動いているか? パイプで水を流す
というのは、血管の中を血液が流れるというのとほぼ同じであろう。

 それまで、こういうことについては職人の経験やカンに任されていた。 し
かし、それでは心もとない。 なにかそれを客観的に知る方法はないのか?

 これに応えるために考え出されたのが流体力学だ。 熱や気体や液体が、
物の内部でどういうふうに動き、流れ、循環しているのかというのを数学を
使って明らかにし、それに基づいて炉やパイプなどの形状が決められると
いうこと。

 それでは、たとえばパイプの中を水がどのように流れるのかを数学を用
いて明らかにするとはどういうコトだろう? このとき用いられるのが 「流体
力学」 なのである。

 パイプの中を流れる水は液体なので 「量」ではかられる。 だが、数学と
いうのは「量」 で表されるものについて考えるときには用いることができな
い。 もしくは、あまりふさわしくない。 例えば、A子さんが 「B君のコトを大
好き」 だという場合に、そのA子さんの「大好き」という気持ちを数学で考え
るのはあまり適切でないというのはわかるだろう。 なぜなら 「気持ち」 とい
うのは「数」ではなくて「量」だからだ。

 これに対して、A子さんとB君がデートをしたとして、その回数につては数
学を用いて考えることができる。 なぜなら、デートの回数は「量」ではなくて
「数」だからだ。

 同様に、「量」で表す水(の流れ)について数学で考えるのは難しい。 だっ
たら、水を「数」 で表すコトはできないのか?

 ん~~~~、 あっ! できるよ!

 そう、できるのだ。 どうすればいいのかというと、水を分子の集まりだと考
えればいい。

 つまり、パイプ内部の水の流れ方・動きを予測するとき、水リットルが例え
ば分子1万個(もちろん実際はもっと多い)で構成されているなら、その1万
個の分子1つ1つの動きをそれぞれ予測すればいいということになる。 それ
はボールの動きを予測するのと同じようなものだ。

 1万の分子の動きを、1つ1つ別々に計算する。 そして最後に、それらを
すべて足し合わせる。 そうすれば、水1リットルの全体治しての動きと等しい
答えが得られる。 工場のパイプを流れる水がどれくらいの量になるのかわ
からないが、それはもう気の遠くなるような計算回数になると思う。

 だからコンピューターが必要なのだ。 最新のスーパーコンピューターの計
算速度がどのくらいなのかは知らないが、1秒間に数億回とかそのくらいの
レベルは楽勝なハズである。

 大島先生は、この数学的な技術を脳内の血管を流れる際の血液の動きに
応用したということになるだろう。

 大島先生によると、体内でおこる現象の研究には、コンピューターシミュレ
ーションがとても有効なのだという。

 なんでも、子供の頃にアポロ11号の月面着陸の映像をみて、「人間の技
術というのはスゴイんだなぁ!」 と感銘をうけたという。 そして、そのことが
自分が学者になろうと思った理由の1つになっているという。

 また、科学というものが非常に専門化・細分化され、さまざまな研究の成
果が、専門家以外の人にとっては非常に理解しにくくなっている現在、研究
者たちの、一般社会の人々に対する説明責任が大きくなっていると言って
おられる。 まさにその通りだと思います。

 しかし、大島先生的にはもっとも易しい説明であっても、いまだ僕たちの
地点とは隔たりがあると思う。 その距離をこの記事が少しでも埋めること
ができたならウレシーです。


 読んでいただいた方のなかで 『色即是空 』 の言葉の意味や解説、さらに
仏教思想や人類史などに関心がある方がおられましたら、 このブログ内の
『色即是空』 とは? という記事をもしよければ読んでいただけないでしょうか?

 せっかくたくさん書いたのに、検索結果の表示位置が悪くてちっとも読んで
もらえないのです。 だれか心優しい方がおられましたら、お願いします ! 左
にあるカテゴリーの「宗教」 のところです。




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